政治

県民投票 自民議員反対呼び掛け  市議ら決断に影響 関係者「なぜつぶしたいのか」

 衆院議員の宮崎政久氏が昨年12月に開催された保守系議員の勉強会で「議員が損害賠償など法的な責任を負うことはない」などと記述した資料を配布していた。勉強会に参加した議員からは「反対しても法的な問題はないことが分かった」との声が上がっており、県民投票の実施にかかる経費を含む予算案に反対した議員らの事実上の“後ろ盾”になったとみられる。

 宮崎氏は取材に対し「いろいろな考え方をまとめただけで、党本部の指示もなければ報告もしていない」と“中央からの圧力”を否定し、あくまで議論の材料を提供しただけだと述べる。だが弁護士資格を有する同氏の「予算案が否決された事実を前に、これに反して市町村長が予算案を執行することは議会軽視であり、不適切だ」などの見解が、県民投票に懐疑的な議員らの最終決断に一定の影響を与えたことは否定できない。



■党の関与否定も

 関係者によると、自民党内では昨年7月から県民投票への対抗策を模索していた。(1)辺野古移設「賛成」の得票を増やすため活動を展開(2)工事の進捗(しんちょく)に影響がないので静観(3)市町村議会で予算案を否決する―など、さまざまな対抗策について議論してきた。複数の関係者は「県民投票で反対の意思が示されても工事には影響しない。『反対』を直接指示するようなリスクは犯さない」と話し、官邸や党本部の関与を否定する。

 だが官邸や党本部は地元関係者から市町村議会の動向について報告を受けており、「高い関心を寄せているのは間違いない」(自民党関係者)。翁長雄志前知事を支える「オール沖縄」に対抗するため決起した保守系首長らの「チーム沖縄」の自治体で相次いで県民投票にかかる予算案が否決されたことに党内からは「全県実施ではない県民投票に意味はない」と安堵(あんど)の声も漏れる。



■“点数稼ぎ”

 「最高裁が辺野古移設工事に違法性がないと結論付けた。その是非を問う県民投票にはそもそも疑問だったが、宮崎さんの話を聞いて、反対しても問題がないと確信が持てた」

 12月中旬に開催された勉強会に参加した議員の一人はこう振り返る。この議員によると、勉強会に参加した議員らで県民投票に反対する方針を総意として擦り合わせてはいないが、「県民投票の不適切さを訴えて、予算案を否決することに全力を尽くすべきである」などとした宮崎氏の見解が受け入れられ、奏功した格好だ。

 一方、宮崎氏の積極的な動きに“点数稼ぎ”を指摘する声も上がる。勉強会に参加した別の議員は「官邸や党本部にアピールするために独断で動いたんだろう」との見方を示す。「なぜそんなに県民投票をつぶしたいのか。党本部から何か言われてるのだろうか」と首をかしげた。
 (県民投票取材班)



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