名作「スイミー」を沖縄風にするとこうなる 那覇市の小学生が組踊版 1月19、20日上演


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本番に向けて組踊の練習をする子どもたち=9日、那覇市安里のひめゆりピースホール

 沖縄県那覇市は、組踊上演300周年を記念した公演を19、20日にパレット市民劇場で開催する。市内の小学生が実演家の指導の下「組踊版スイミー」を演じる。市で初の試み。本番に向けて子どもたちは、安里のひめゆりピースホールで練習を重ねている。

 「組踊版スイミー」に出演するのは、市の呼び掛けに応募した市内の小学1~6年生の16人。ほとんどが初心者で、昨年10月からワークショップを受講し、せりふの読み方や所作などを学んできた。県立芸術大学大学院で組踊を学んだ実演家が子どもたちの指導に携わる。9日はひめゆりピースホールで、通し稽古が行われた。せりふと所作を交えながら、立ち位置などの動きを確認した。

 「組踊版スイミー」はレオ・レオニ原作の絵本「スイミー」を沖縄風にアレンジした作品。親兄弟をジンベエザメに食べられたスルル小(ぐゎー)(キビナゴ)が、グルクンやミーバイなど沖縄の魚たちと力を合わせてジンベエザメに立ち向かうストーリーとなっている。魚役の児童らは、大きな声を張り上げるジンベエザメ役の児童らに負けじと一斉に集まり、最後は踊りを舞って平和な海の世界を表現した。

 スルル小を演じた高良小3年の長浜彩也花さん(9)は「せりふを話すのが楽しい。本番は緊張せずにみんなが笑顔になれるように頑張りたい」とはにかんだ。演技を指導する喜納彩華さん(26)は「子どもたちの魅力を引き出せるように頑張っている。組踊を演じた経験が大人になった時に生きてくるはずだ」と話し、期待した。

 公演は3部構成で両日とも1部がスイミー。2部以降は実演家による舞台で、19日の2部は万歳敵打、20日の2部は二童敵打、3部は19、20両日ともさるかに合戦が披露される。19日は午後5時開演、20日は午後2時開演。