女子アナの窮屈さ、不安障害、父の死… 小島慶子さん人生語る


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小島慶子さん

 第90期新報女性サロン第1回講座が16日、沖縄県那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれ、元TBSアナウンサーで現在はタレント、エッセイストとして活動する小島慶子さん(46)が講演した。小島さんは定年まで安泰だったはずのテレビ局を辞めて一家4人で海外移住した経緯や、父の死を機に学んだ人と人との絆など、固定概念にとらわれない多様な生き方や価値観を語った。

 女性の社会進出が始まったばかりの1995年、小島さんは「経済的独立」の目標を掲げテレビ局のアナウンサーになった。仕事は順調な半面、“女子アナ”らしさを求められるなど、ジェンダーの固定概念に窮屈さを感じることもあった。28歳で会社員男性と結婚し2人の息子に恵まれるが、30代は不安障害にも苦しめられたことを明かした。

小島さんの講演に聴き入る新報女性サロンの会員=16日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 37歳で退職し、自身の生まれたオーストラリア・パースへ移住。現在は一家の大黒柱として日本で「単身出稼ぎ」をしながら専業主夫の夫と息子たちを養っていることを軽妙なトークで紹介した。

 小島さんは「幸せや人生は思い通りにならないからこそ、大切なものに気付かされることもある」と強調し、先の見えない将来を不安に思うより一日一日を大切に生きたいと訴えた。