県民投票 全県実施の声 全国に 「何か行動を」広がる共感 賛同3万人、ファクス運動も


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県民投票に不参加を表明した5市に異議を申し立てるファクス運動を展開する人たち=18日、石川県金沢市(提供)

 宜野湾市など5市が県民投票に不参加を表明している問題で、沖縄県外から全県実施の実現を呼び掛ける取り組みが賛同の輪を広げている。石川県の女性らは17日から5市へ投票事務の不実施に異議を申し立てるファクス送信の運動を始めた。インターネット上で全県実施を求める福岡県在住の男性(55)の呼び掛けには8日間で賛同者数が3万人を超えた。2千件以上のコメントも寄せられているという。

 男性は「住民投票は国が保障する制度。不参加は約束を守るといった当たり前のこと全てをひっくり返す行為。許されない」とたまらず11日にキャンペーンを始めた。「最初は6件だったのに」と反響の大きさに驚きを隠せない。「投票に行く行かないは自由。でも私の口までふさがないで」「基地建設の賛否の前に、等しく意思を表示できる機会をつくることがしかるべき姿だ」などの意見が寄せられているという。男性は「住民投票の仕組みを覆すことに怒りが広がっている。地域によって投票できないあしき前例ができれば、全国でも権力に都合よく使われる。人ごとではない。この事態を国が放置していることも問題だ。国のありようが問われている」と訴えた。

 一方、ファクス送信の運動は「沖縄5市への緊急FAXアクション」と題してフェイスブック上にページが開設された。「小さなアクションでもたくさん集まれば大きな力になる」と全国にファクスを書く会の開催を呼び掛け、18日午後6時半までに258人が参加を表明した。

 発起人の小原美由紀さん(54)は以前から交流のあった「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表がハンガーストライキを始めたことを知り「何か行動を起こさなければ」と運動を発案した。同日、石川県内で会を開催し、9人が出席。実際に5市にファクスを送信した。

 小原さんは「元山さんらが集めた署名は賛否を問うもので始まった。最初から署名集めに加わらず議論もせず今更選択肢を増やせというのおかしい。どのような意思を示すかは市民に委ねるべきだ。投票の自由を奪うことは許されない」と指摘した。