「慎重に」「全県なら」 県民投票 選択肢変更に賛否


社会
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 名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票の選択肢を2択から3択へ変更することも視野に、全市町村実施を模索する県議会や県執行部の動きを受け、県民からは「全県実施できるなら3択でいい」「2択のままがいい」など多様な意見が上がった。一方、宜野湾市役所前で実施してきた「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さん(27)のハンガーストライキは5日目で終了した。

 「県民投票を求める石垣市民の会」共同代表の高嶺善伸さん(68)は「投票結果を恐れる国や、国と連携する市長や県議が県民投票を骨抜きにしたいとの思惑で揺さぶる中では、選択肢を増やし変更することには非常に慎重にならざるを得ない」と話す。一方で「全県民の県民投票参加が可能になるならば、経緯を見守りたい」とも語った。

 宮古島市で平和運動に取り組む「宮古島ピースアクション実行委員会」の清水早子代表は「県があらゆる努力で実現を目指しているのは分かる」としつつも、「不参加を表明する5市が考えを変える可能性は高くないのでは」と危惧する。全県実施を望み「県議会与党の歩み寄りが功を奏すことを願う」と強調した。

 宜野湾市内のスーパーで買い物をしていた同市民の天久真一さん(75)は「賛成か反対かの2択でいい。その方が分かりやすい」との考えだ。ただ、市長判断で投票に参加できない現状を踏まえ「3択にすることで全県的に実施できるならそれでいいかもしれない」とも語った。同市役所前でハンガーストライキを実施した元山仁士郎さんの元を訪れ、激励した名桜大4年の玉城伸一郎さん(22)=名護市=は3択案に「賛成だ」ときっぱり。「辺野古移設について県民がどう考えているか具体的に分かる。2択だと県民の意見の細かい部分までは見えないのではないか」と説明した。

 買い物客でにぎわう那覇市のパレットくもじ前でも幅広い意見が聞かれた。3択案に賛成する62歳の女性=那覇市=は「基地で潤う人もいれば、自然を守るべきだという人もいる。3択なら賛成、反対だけではなく『微妙だ』と言う人も投票できる」と指摘した。3択案に反対する46歳の男性=同=は「全県でやった方がいいが、調整は難しいだろう。2択で実施するべきだ」との考えだ。同じく那覇市に住む70歳の女性は「期日が延びるなら条例改正しない方がいい。不参加の5市に県が投票所を設けてはどうか」と提案した。