西原(女子)豊見城(男子)制す 高校バスケ小橋川杯


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 バスケットボールの第37回小橋川杯争奪高校選手権大会の最終日は20日、沖縄県宜野座村総合体育館で決勝リーグを行い、男子は2勝同士の対戦を豊見城が78―71で興南に競り勝ち優勝、女子も2勝同士がぶつかり、西原が80―70で糸満を振り切って頂点に立った。男子の興南、女子の糸満が2位だった。男女の上位2チームは3月23~24日に福岡県で開催される第49回全九州高校春季選手権大会に派遣される。

◆西原、Vも課題多く

女子決勝リーグ 西原―糸満 前半、シュートを決める西原の内間星奈=20日、宜野座村総合体育館(田中芳撮影)

 優勝を決めた直後のミーティングで女子・西原の崎浜秀勝監督に笑顔はなかった。「負けた相手は何くそという気持ちで向かってくる。おまえたちにそれがあるか」。2勝同士でぶつかった糸満との最終戦は終盤こそ持ち味を発揮したが、前半はチームの連係が遅れて守備が後手に回り、第1Qは13点リードされた。昨年10月の新人大会は39点差で快勝した相手に苦しんだ試合。指揮官はあえて厳しい評価を突きつけた。

 決勝リーグは厳しい試合の連続で、糸満との試合は攻守でリバウンドが奪えず、攻撃はボールが回らなかった。第2Qは知名祐里が「ドライブでファウルを狙った」と苦しい場面ながらフリースローで点を稼ぎ、宮里野乃子の3点弾でようやく37―37に戻した。

 ハーフタイムで、声掛けからの連係という基本に立ち返ると、走力を生かしたオールコート守備も生きて逆転。残り2分を切って73―70の接戦だったが勢いは西原に分があった。具志堅夏琳がタフショットを決めると、後半からリバウンド数を伸ばしてきたセンターの内間星奈もゴール下で得点。オールコート守備で知名がパスカットすると、宮里が「あれはいい感触でした」と得意の3点弾を放り込むなど、最後に見せ場をつくった。

 優勝したが課題の多い大会だった。那覇戦は食トレの差でリバウンド時に押し負けており、「西原は当たったら転ぶ。他チームより弱い」と内間らは痛感したという。九州では優勝を掲げるも、知名は「まだまだ甘い。全員がリーダーシップを持って、皆で強くなる気持ちで練習していきたい」と気を引き締めた。
 (嘉陽拓也)

◆豊見城、速さで上回る/興南の策に好守で対応

男子決勝リーグ 豊見城―興南 後半、ドリブルで相手守備を崩しにかかる豊見城の嘉数啓希

 速攻中心の練習でスピードある展開を強化してきた豊見城は、最終の興南戦、第3Qから引き離し、選手交代を多用して戦う相手を制して勝ちきった。前半は興南のドライブに手を焼いたが、ゾーン守備などで要所を押さえた。嘉陽宗紀監督は「うまく修正できたが、なんとかしのいだ内容」と振り返った。

 第1Qはシュートミス後や得点後に、興南の素早いトランジションに押されたが、桃原奨や嘉数啓希らのリバウンドで応戦。次第に主将の赤嶺有奎らのスピードでかき回した。

 試合ではPG長濱凌がゲームをつくるも、終盤はパスコースを防がれミスする場面も。嘉陽監督は「ガードを育てるためにも我慢の時間だったが、取り返した部分もあった」と期待を込める。

 昨年末の全国高校選手権は初戦敗退した。「何もできず終わった」反省を胸に赤嶺は「この大会はシュートが入らない時はドライブから次の展開を生み出すことを意識した」と前向きな気持ちで臨んだ。九州大会に向け、「長濱が強気に攻めればチームも勢い付く。福岡大大濠や福岡第一に勝ち、ベスト4以上を目指す」と意気込んだ。
 (嘉陽拓也)