「時代求める新たな役割」 新聞労連大賞 本紙ファクトチェック表彰


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青木理選考委員(右)から賞状を受け取る滝本匠東京報道部長(左から2人目)と宮城久緒デジタル編集担当局付部長=23日、東京都の台東区民会館

 新聞労連(南彰委員長)は23日、平和・民主主義の確立などに貢献した記事を表彰する「第23回新聞労連ジャーナリズム大賞」授賞式を東京都の台東区民会館で開いた。「沖縄県知事選に関する情報のファクトチェック報道」で大賞を受賞した琉球新報などを表彰した。

 県知事選取材班の滝本匠東京報道部長と宮城久緒デジタル編集担当局付部長が賞状を受けた。

 授賞式で滝本東京報道部長は「今回私たちの受賞でファクトチェックという取り組みが全国的に広がり、新聞の役割や面白さをさらに高める『ファクトチェック元年』になればうれしい」とあいさつした。

 選考委員を代表して講評を述べた元共同通信社記者でジャーナリストの青木理さんは、琉球新報の大賞受賞について「県知事選挙や基地問題について、沖縄では非常に多くのフェイク(偽)やヘイト(憎悪)表現が流れており、意義深い取り組みだった。昔、ネットのデマはほっとけばいいという風潮があったが、ファクトチェックは時代が必要としている新しいメディアの仕事だ。琉球新報だけではなく全国的に取り組んでほしい」と本紙取材に答えた。

 琉球新報の大賞受賞は2015年の「普天間・辺野古問題」キャンペーン報道での受賞以来で、6回目。

 今回の選考評では「新聞ジャーナリズムに期待される新たな役割を先駆けた功績は大きい」と評価された。

 優秀賞は長崎新聞取材チームの「カネミ油症50年」と宮崎日日新聞編集局取材班の「自分らしく、生きる 宮崎から考えるLGBT」の2件、第13回疋田桂一郎賞には毎日新聞新潟支局の「『過労に倒れた難病の妹』をはじめとする新潟県庁での過労死を巡る一連の報道」が選ばれた。