なはナビ友の会「親子で学べる那覇」発刊 故翁長さん、市長時代に熱望


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
書籍「親子で学べる 那覇まち物語」

 故翁長雄志前知事が那覇市長時代の2012年、製作を熱望していた、子どもでも分かりやすく那覇市の地理や歴史を学べる本がこのほど完成し発刊された。本は「親子で学べる 那覇まち物語」(沖縄時事出版発行)で、退職校長や元大学教授などでつくる「なはナビ友の会」(久高将宣会長)が手掛けた。編集委員が那覇市内各地を巡り写真を撮影したり、話を聞いたりして作業を進め、5年越しでまとめた。

 本の製作途中で12人の委員のうち、2人が亡くなった。本は親類などを通じて翁長さんや亡くなった委員宅にも届けられたという。編集委員長を務めた真栄田義勝さんは「翁長さんは完成を前に亡くなった。見てほしかったので大変残念だが、希望に沿えるものができたと思う」と感慨深げに語った。

 本はカラーで80ページ。一つのテーマを見開きで扱い左側に本文、右側に写真、イラスト、地図をふんだんに盛り込み、読み仮名も振った。

 12年10月当時、沖縄教材研究会会長だった真栄田さんが翁長さんから「親子で学べる那覇市についての読み物を作ってほしい」と要望された。資料を集めて本の構想をまとめた真栄田さんが15年、知人らに呼び掛けて同会を結成し、本格的に編集作業に取り組んだ。

作成した「親子で学べる 那覇まち物語」について説明する「なはナビ友の会」の真栄田義勝編集委員長(左)と金城聡さん=25日、琉球新報社

 「ガーブ川とそのまわりを改修してできた商店街」の項目では15年から16年にかけて国際通りや九つの商店街を一軒ずつ回り、種別と数を表にまとめた。さらに翁長さんが繰り返し語っていた「軍用地から新都心へ」という言葉を盛り込んだ項目を設け、同地区の変化も詳しく紹介した。

 写真撮影を担当した金城聡さんは「那覇市の変化の様子が分かる資料になった」と話した。

 本は税込み1404円、県内書店で販売している。