子らに毎年贈り物 那覇松山の店主ら善意広がり


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児童養護施設の子どもたちにプレゼントを続けている嘉手川秀徳さん(右)と高松豪大さん=23日、那覇市松山

 那覇市松山などの繁華街で飲食店を営む有志らが、児童養護施設の子どもたちにクリスマスプレゼントを手渡す取り組みが広がりを見せている。取り組みは昨年6回目を迎え、賛同する募金も増えた。今後は訪問する施設数を増やしたり、東京ディズニーランドに連れて行ったりすることを計画しており、NPO法人設立も視野に入れる。子どもらは毎年楽しみにしているといい、職員からも好評だ。

 取り組みは「サンタプロジェクト」。本島南部の4施設にいる3歳~小学3年生約80人が対象で2013年12月から開始した。嘉手川秀徳さん(33)=飲食店経営=が、亡くなった兄の子どもに思いを巡らせ、友人の高松豪大さん(30)=同=に「(親のいないなどの)子どものために何かをやりたい」と持ち掛けた。

 友人らと「人が喜ぶことをしよう」と計画し、お菓子を購入して施設を「アポなし訪問」。怪しまれるなどしたが、続けるうちに理解を得て協力者も増えた。今年は募金を活用し、施設の高校生の卒業祝いに、ディズニーランド旅行をプレゼントする予定だ。

 施設には親から虐待を受け大人を怖がる子もいた。嘉手川さんは「びくびくしていた子が、贈ったおもちゃのマイクで歌って踊ってくれて、やってて良かった」と振り返る。高松さんは「お礼に絵をくれたりして最高」と目を細める。

 ある施設に入所する小3の男子児童(9)は「(クリスマスの時期が)1年で一番楽しい。高松さんたちは格好いい」と話す。施設職員は「子どもたちが、こういう大人になりたいと思えるきっかけにもなる」と感謝している。取り組みの問い合わせは嘉手川さん(電話)090(5255)5459か高松さん(電話)090(5044)7696。