同じ境遇励みに 白血病闘病の兼元さん、克服した髙島さんと面会


この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
白血病を克服した髙島輝一朗さん(左)と面談する兼元亨さん。急性骨髄性白血病で療養中=27日、那覇市真地

 「あなたのおかげで頑張れる」。白血病で療養中の元教員、兼元亨さん(54)=那覇市=が27日、2度の白血病を乗り越えた沖縄大学2年の髙島輝一朗さん(20)=与那原町=と初めて面会した。2人は闘病の苦労や将来を語り合い、「会えて良かった」と何度も手を握り合った。

 兼元さんは2017年4月、急性骨髄性白血病を発症した。抗がん剤治療を続ける中、「(造血幹細胞手術を受けないと)生存率は10%」と医師に告げられた。同年12月、妹から末梢(まっしょう)血幹細胞の提供があり、造血幹細胞の移植手術を受けた。

 術後も倦怠(けんたい)感や発疹など薬の副作用に悩まされ、今も落ち込む日がある。そんな時、髙島さんを取り上げた14日付本紙を目にした。髙島さんは5歳と15歳の頃の2度、急性リンパ性白血病を発症。いずれも克服し、大好きな野球を続けている。「自分も頑張らないと」。兼元さんは記事を読んで涙が出たという。

 2人は本紙の仲介で面会した。兼元さんが副作用の苦しさを語ると、髙島さんも「何度くじけそうになったことか。病室で1人、眠れない日が続いた」と打ち明けた。さらに「これまで支えられてきた分、誰かを支えることができる存在になりたい」と話した。

 兼元さんは最近、リハビリの意欲が出てきたという。髙島さんの手を握りながら「あなたに励まされて、頑張れるようになった。生きている間にやれることをやりたい」。街頭に立って、ボランティアで骨髄ドナー登録を呼び掛ける。それが今年の目標だ。(真崎裕史)