クルーズ船で北部活性化 名桜大、振興会シンポジウム 天津事例に学ぶ 本部に1万人寄港計画も


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天津市について語る王凱氏=25日、名護市の名桜大学

 【北部】名桜大学(山里勝己学長)と北部振興会(会長・伊集盛久東村長)は25日、国際学術シンポジウム「港・観光と自然 クルーズ船受け入れに関するやんばる産学官連携」を同大で開催した。中国・天津市を事例に、登壇者らはクルーズ船を利用したやんばる振興の方向性を探り、港整備、多言語対応などの充実の必要性について議論した。2021年をめどに、本部港にグローバル級(20万トン級、乗員乗客1万人規模)の寄港計画があることも示された。

 天津市にある南開大学の王凱氏(同大学外国語学院副院長)が演題「地域発展と大学の役割」で基調講演した。王氏が提示したデータによると、天津市におけるクルーズ船乗客は12年は12万人で、17年は94万人と増加。天津市を母港とするクルーズ船も増え、20年までの拡張工事で4隻が寄港できるようにする計画が進んでいると報告した。

 王氏は1980年代生まれや60代以降の客層に絞った戦略が効果的とし、産官学が連携して沖縄の情報を発信する必要があると提言した。

 パネルディスカッションでは名桜大の伊良皆啓上級准教授と大谷健太郎上級准教授、高良文雄前本部町長、松田美貴沖縄シップスエージェンシー会長、沖縄北部法人会副会長の新垣力太新垣産業社長が登壇した。

 松田氏は、上海を拠点としたグローバル級クルーズ船の寄港に触れ「今帰仁村の人口を上回る乗客が一挙に訪れる。満足して帰ってもらうためにも、いかにもてなすのかが重要だ」と指摘、バスやタクシーなどの2次交通の整備網も含めた態勢づくりを展望した。