自民沖縄県連会長が5市に県民投票実施を要請


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松川正則宜野湾市長との面談後、記者の質問に答える照屋守之自民党県連会長=30日、宜野湾市役所

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、自民党県連会長の照屋守之県議は30日、宜野湾市役所で松川正則市長と面談し、県議会の条例改正案の可決が全会一致にならなかった経緯を説明した上で、宜野湾市で投票を実施するよう協力を要請した。面談後、照屋会長は琉球新報の取材に「全会一致にすることができなかった重い責任を負いながら、それに代わる形で私が動くことで何とか5市を参加させたい」と述べ、県連会長個人として全市町村実施に向けた環境整備に動いていることを説明した。

 照屋氏との面談を終えた松川市長は、取材に対し「照屋会長の努力には感謝すると伝えた」と説明。事務の実施については「(与党市議団から)市長の意思は尊重したいという話は頂いている。よっぽど強烈なことがない限りは、(実施する)と考えている」と語った。2月1日に市議会の各会派の代表者を集めて協議し、最終判断を下す。

 照屋会長は24日の県議会の各派代表者会議で、「賛成」「反対」の二者択一に「どちらでもない」を加えた3択の条例改正で全会一致を目指すという、新里米吉議長の提案を受け入れた。しかし29日の臨時会での採決時には、自民会派から5人の反対者が出て全会一致にはならなかった。

 臨時会終了後、照屋氏は投票参加を正式に表明していない5市長と電話で連絡を取り合い、実施に理解を求めていることを明かした。このうち島袋俊夫うるま市長、桑江朝千夫沖縄市長からは実施の意向が伝えられたという。中山義隆石垣市長は2月1日の市議会臨時会に予算案を提出して判断を委ねる方針で、下地敏彦宮古島市長も近く市議会と話し合って結論を出す考えを伝えたという。

 照屋会長は31日には自民党県連宮古島支部の新春の集いに合わせて宮古島入りし、自民系の市議団と意見交換する。

 松川市長との面談について照屋会長は「市長は県議会の全会一致を望む発言をされていたので、直接出向いて経緯を説明した。(自民会派から)あれだけの反対者が出るとは思わず、そこは申し訳ないと謝罪した」と説明。その上で「ここまで来たら、何とか議会の同意を得て県民投票に参加して市民が投票できる環境をつくってもらいたいとお願いした。市長もそういう方向で受け止めてもらったと思う」と述べた。