手話言語条例案を答申 沖縄・石垣市が普及施策展開へ


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 【石垣】石垣市手話言語条例検討委員会の大田幸司委員長(県立八重山特別支援学校長)らはこのほど、中山義隆市長に市手話言語条例案を答申した。市は市議会3月定例会に上程する方針で、条例が成立すれば県内市町村では4例目となる。市は条例制定後、推進協議会を発足し、手話普及のための施策を展開する。

中山義隆市長(左)に条例案を答申する検討委員会の大田幸司委員長(左から2人目)ら=石垣市役所

 検討委員会は昨年10月に市長から諮問を受け、3回の会議を開催して条例案の内容を議論してきた。県内ではこれまで、県、浦添市、南風原町、名護市が手話言語条例を策定している。

 石垣市条例案は手話の普及における教育機関や事業者、医療機関の役割や、手話を必要とする旅行客・滞在者への対応に関する条文が盛り込まれている。市によると市内の聴覚障がい者は362人で、そのうち生まれつき障がいのあるろうあ者は31人いる。

 市役所で中山市長に答申した大田委員長は「当事者や専門家の熱い思いで出来上がった。市民だけでなく観光客にも役立つ条例案になったと思う。制定に向けて尽力してほしい」と語った。

 中山市長は「手話がしっかり根付くようにしていきたい。障がいのある人のバリアフリーにもつながると思う」とした。

 市内にろう学校がないため、本島のろう学校に通ったという本村順子副委員長(石垣聴覚障がい者友の会)は「小さい時に島を離れたので、両親とのスキンシップが足りなかった。島で教育を受けられる制度をつくってほしい」と求めた。