抗議者氏名を防衛局に報告 辺野古海上警備・マリンセキュリティー 個人情報を共有


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 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設で、過去に沖縄防衛局から海上警備業務を受託していた業者・マリンセキュリティーの従業員が、抗議行動参加者の氏名を含む個人情報を船同士、無線で交換し、日勤終了後に防衛局にまとめて口頭で報告していたことが1日までに分かった。

 マリン社は新基地建設に反対する抗議活動参加者の顔写真付きリストを作成していたことが問題となっている。

 防衛局は「リストを保有しておらず、作成を指示した事実もない」と関与を否定しているが、無線や報告の中で存在が共有されていた可能性もある。

 当時海上の警備業務に携わった元従業員は抗議参加者のリスト作成について、「犯罪要件として『誰がどこで何をしたか』を報告するため、把握する必要があった」と証言した。

 別の元従業員も「反対派の動きを把握するためにリストは必要だった」と説明した。

 防衛局は1日、本紙の取材に「警備業者からの報告に関して明らかにすることで今後の警備に支障を及ぼす恐れがある」と述べ、回答を避けた。無線での交信内容については「防衛局として承知していない」と答えた。

 マリン社は、ライジングサンセキュリティー(東京都)の100%子会社。人件費の過大積算やパワーハラスメントの問題が取りざたされた。海上へ廃油を投棄した疑いで書類送検され、従業員に長時間労働を強いたとして沖縄労働基準監督署から指導された。

 現在は2017年11月の入札で防衛局の委託先が変わり、セントラル警備保障(東京都)が海上警備を担っている。