イモゾウムシ、体表成分で求愛 琉大など解明 紅芋被害軽減に期待


この記事を書いた人 大森 茂夫
求愛するイモゾウムシ(熊野了州氏撮影)

 琉球大学農学部の立田晴記教授らの研究グループが6日までに、紅芋に被害を及ぼす特殊病害虫で外来種のイモゾウムシの特異な求愛行動を解明した。イモゾウムシは体表の成分に反応して求愛することが判明、体表成分を塗ったガラス玉にも求愛行動を取った。立田教授は「イモゾウムシの行動をコントロールする手段の発見につなげ、イモの害虫被害軽減に役立てたい」と期待を寄せた。

 論文は英国王立協会の学術雑誌「ロイヤル ソサエティー オープン サイエンス」の電子版に6日、掲載された。立田教授のほか、琉球大学医学研究科の伊佐睦実氏、帯広畜産大学環境農学研究部門の熊野了州准教授が研究に携わった。

 実験では、溶媒で抽出したイモゾウムシの体表成分に直接触れることで、求愛行動が引き起こされることが初めて示された。イモゾウムシは雌雄の区別なく相手に求愛することも判明。求愛行動の途中の段階で相手の性別を認識することが示唆された。

 立田教授は「今回の発見を応用し、体表成分を塗って効率よくイモゾウムシを捕集する方法が考案できたらいい」と今後を展望した。