沖縄県内の宿泊施設2025年には供給過多に りゅうぎん総研が予想 那覇空港の処理容量拡大が鍵


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 りゅうぎん総合研究所(照屋保社長)は7日、沖縄県内宿泊施設の需給動向のレポートを発表した。空路での入域客数を基礎にした「人泊数」と宿泊施設の「収容人数」の将来予想を算出。2025年度までの宿泊施設の需給バランスを考察し、現状のように宿泊施設の収容人数が増加し続けると、供給過多となる可能性が高いと結論づけた。需給バランスを保つために那覇空港の処理容量拡大の必要性を示した。

 レポートでは那覇空港の離着陸回数から宿泊を伴う空路客数の推移を試算。滑走路1本での処理容量は13万5千回だが、17年度実績は16万6千回で1・23倍多い。そこで、滑走路が2本になった場合の処理容量は18万5千回だが、1・23倍を乗じた22万7550回が上限になると仮定した。

 1日当たり人泊数は(1)一貫して増加(2)横ばい→増加→横ばい―の2パターンを想定。(1)は13~17年の空路客の平均増加数55万7580人を一貫して19年度以降に当てはめた。(2)は18、19年度は横ばい、20~24年度は増加(13~17年の空路客の平均増加数55万7580人)し、25年度以降は第2滑走路の処理容量の上限に近づくとして再び横ばいになると予想した。

 収容人数はア4400人ずつ増加イ9400人ずつ増加―の2パターンを想定。アは18~20年度は新聞報道等から集計した数値で見込み、21年度以降は13~17年の平均増加数4400人と予想した。イは18年度以降一貫して17年の実績9400人を当てはめた。

 双方を組み合わせて4パターンでシミュレーションし、(2)とアの組み合わせ=グラフ=が過去5年の実績などから最も実現性が高く、次に実現性がある(2)とイの双方とも供給過多になる見込み。需要を増やすためには那覇空港の処理能力が上限に達しないことが必要で、早朝便や深夜便の就航、市街地上空の飛行経路設定、嘉手納飛行場に関する空域問題の解消などが必要だとした。