社会
未来を築く―2.24県民投票

〔未来を築く 2.24県民投票〕3 映画監督・宮平貴子さん 「子孫に何残すのか」 基地問題、笑顔で語ろう

「自分たちの子孫に何を残すべきか、考えて一票を投じてほしい」と語る宮平貴子さん=那覇市内

 那覇市出身の映画監督、宮平貴子さん。本紙連載の「マンガ de エイガ」では時折政治や基地問題を絡ませながら自分が見た話題の作品を紹介している。

 「幼い頃、米軍基地は空気のような当たり前の存在だった」と振り返る。「気に掛けることも無ければ、基地に反対したってどうせ何も変わらないと、諦め半分で見ていた」

 2001年9月11日、米同時多発テロが起きた。「基地がある沖縄は危ない」と修学旅行のキャンセルの連絡が相次ぐ中、ホテル業を営んでいた両親は必死になって沖縄の安全を叫んでいた。「危ない物を沖縄に置きながら、人ごとみたいな態度を取る本土の人に違和感を抱いた。沖縄は本土にとって、どうでもいいのだろうか」

 大学在学中に短編映画を製作していた宮平さんは映画監督のクロード・ガニオンさんに師事しカナダ・ケベック州へと渡る。「ケベックはフランス系の人が多いマイノリティーの州。自分たちのアイデンティティーを大事にし、会話の中では頻繁に政治の話をしていた。不満があれば声も上げる。ケベック人の政治への関心には、いつも驚かされていた」

 この経験が、宮平さんの沖縄に対する意識を変えた。「沖縄から出ないと見えないものがたくさんある。カナダに行かなければ基地問題に対して意識も無かっただろう」

 昨年12月、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸に土砂が投入された。「世界の視点で見ると、これほど非常識なことはない」と言い切る。「環境保護を訴える現代社会で、沖縄の民意を無視しながら環境破壊に加担する。日本政治の幼稚さにあきれた」

 5年前に始めた「こども国際映画祭in沖縄(KIFFO)」。子ども自ら審査員やスタッフとして運営に関わる傍ら、宮平さんは世界各国で製作された作品を子どもたちに見せている。「映画という媒体で子どもたちが少しでも社会問題に目を向けると、自分の考えや意見も育つ。結果的には基地問題や政治に対して無関心を減らすことにもつながると思う」

 24日に迫る県民投票に、宮平さんは「自分たちの意思によって決める大事な投票だ」と訴える。「自分たちの子孫に何を残すべきか、よく考えて一票を投じてほしい」

 一方で「もっと議論を深めてほしい」と注文する。「基地問題や県民投票について話すことをためらう人が多い。海外では政治家をちゃかしながら話題にする。固くなくていい。みんな笑顔で県民投票について語ってくれたら、投票率も上がると思う」と語った。
 (金城実倫)