〈解説〉ゆいレール3両化検討 駅舎改修など課題


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 ゆいレールは開業15年目を迎えて県民の生活の足として定着し、観光客も増加したことで乗客数が右肩上がりに増加している。特に今夏に予定される延伸により、中北部からの通勤客が駅周辺で車からゆいレールに乗り換えて那覇市に向かうなど、新たな需要が生じる見込みだ。

 2017年度の1日当たりの駅別平均乗客数は通勤客が多い県庁前駅が6680人と最多で、次いで那覇空港駅が6501人に上る。降客数も県庁前駅の7191人に次いで那覇空港駅が6256人と続く。

 20年に那覇空港第2滑走路の利用が始まると、観光客のさらなる利用増も見込まれる。沖縄都市モノレール社は18年度にも増便で対応したが、増便、運転間隔の短縮には限界がある。現在の運行状況のままでは対応が難しいことが予想され、3両化が求められるのは必須だ。3両化へ向けたスケジュールや駅舎の改修費などの費用負担が今後の課題となる。

 車社会の沖縄では、移動手段の約90%を車が占め、市街地の慢性的な渋滞が続いている。近年では観光客の増加がレンタカー台数の急増につながり、交通事情の悪化が深刻化している。乗客数増加への対応と合わせ交通渋滞解消のためにも、ゆいレールを中心とした公共交通を発展させる取り組みを加速させる必要があるだろう。(嶋岡すみれ)