「一人一人の意思を示すことは大切」 沖縄の芸人いさお名ゴ支部さんが県民投票に思うこと


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「やぎのシルー」姿の「いさお名ゴ支部」さん

 「だからね、ずっとだもんねこの話」。記者が辺野古新基地建設に関する話題に触れると白塗りの表情が一転し神妙な面持ちに変わる。

 名護市出身で演芸集団FECの芸人「いさお名ゴ支部」さん(44)は「2・24県民投票キャラバン」の一環で上演された喜劇「あぎじゃび商店」の中で「やぎのシルー」を演じた。シルーは飼い主が購読する新聞を「読んでは食べ」を繰り返した結果、物知りになり、県民投票の意義などを人間に説明するようになる。「ワッター動物には選挙権がないけど、人間の皆さんは自分の意思を示せて、もうけたね、いい機会だよ」などと高飛車に話し、会場の笑いを誘う。

 名護市で生まれ育ったいさおさんは結婚を機に約9年前、家族と宜野湾市に移り住んだ。米軍普天間飛行場に「住んでからヘリの騒音に驚いた。基地を初めてリアルに感じた。いつか名護もこうなるのでは」と危惧する。普天間飛行場を名護市に移すことで問題は解決するのか、と複雑な心境になる。「投票日はヤギではなくウチナーのおじさんとして投票に行く。一人一人の意思を示すことは大切、沖縄の気持ちを発信しよう」と投票を呼び掛けた。