ジョン万次郎は希望のトビウオ 芸大生に初の石彫賞 波乱人生の躍動感表現 沖縄・糸満


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ジョン万次郎の人生をトビウオで表現した(左から)野田竜也さん、前原優香さん、伊藤銀さんと上原昭会長=10日、糸満市大度

 【糸満】NPO法人ジョン万次郎上陸之地記念碑建立期成会(会長・上原昭糸満市長)は10日、第1回ジョン万賞石彫作品お披露目式を、ジョン万次郎が上陸した沖縄県糸満市の大度海岸で開いた。県立芸術大学美術学科彫刻専攻2年の伊藤銀さん、玉城紀(しるす)さん、野田竜也さん、前原優香さんの4人がグループ制作した「FLYING FISH―ジョン万次郎が与えた希望―」がお披露目された。ジョン万次郎の人生を躍動感あふれるトビウオで表現した作品に、参加者から大きな拍手が贈られた。

 ジョン万賞は、海人(ウミンチュウ)だったジョン万次郎をしのび、「海のいきもの」をテーマにした石彫作品を年に1点、大度のジョン万次郎上陸之碑に続く「ジョン万通り」に10年計画で設置する。20代の県内若手作家が対象で、芸術分野での国際的な人材育成が目的。

 県立芸大の4人は、日本の開国に影響を与えたジョン万次郎の人生を、トビウオで表現した。

 お披露目式には、玉城さんを除く3人が出席した。同期成会会長の上原昭糸満市長から表彰状と賞金30万円が贈られた。

 4人は、久米島の石を使い、約5カ月かけて制作した。代表の前原さんは「大きな石の塊でトビウオをどう作ったらいいか、形が見えてくるまで苦戦した。きつい思いもしたが、とてもいい経験になった」とあいさつした。

 お披露目式の後は、大度海岸から豊見城市翁長までのジョン万次郎の足跡をたどる「第4回ジョン万次郎宿道探索ウォーキング」が開かれた。約90人が参加し、摩文仁番所跡などに立ち寄りながら約12キロを歩いた。