今季からサッカーJ2に昇格したFC琉球を中心とした、沖縄県内サッカー界の情報を広く深くPRする有料のインターネットサイト「琉球サッカープレス」が1月に開設された。担当するのは、選手からも厚い信頼を寄せられるスポーツライター、仲本兼進さん(40)=那覇市。2003年のFC琉球創立ごろから取材を続けており、「勝敗に結びつくプロセスや本質を伝えていきたい」と新たなステージに挑む琉球の魅力を伝えている。
仲本さんは小学生時代からスポーツが好きで、プロ野球や海外サッカー観戦など「筋書きの無いドラマにはまっていた」という。サッカーの県内強豪の那覇西高に進んだこと、93年にJリーグが開設されたことがきっかけでサッカー熱が高まった。
県内ラジオ局に勤務していた2004年、当時FC琉球に所属していた藤吉信次氏がMCを務める番組のディレクターを2年間担当した。プロ化を目指す藤吉氏の情熱に胸を打たれたが、「自分が求める形で伝えたい」と時間的制約のある番組制作を離れ、13年にフリーライターへと転身した。
その後、「Jリーグ登録フリーランス」の琉球担当記者として、サッカー専門新聞「エルゴラッソ」や雑誌「サッカーダイジェスト」で発信を続けてきた。
寄り添う取材活動で琉球の運営陣に認められ、1月11日には球団と協力し、県内のサッカー情報を中心とした「琉球サッカープレス」を任されたという。
「チームの何が良くて、何が悪かったのか。そのプロセスを伝えないのはすごく無責任だ」
ほぼ毎日練習に通い詰めて戦況分析や選手へのインタビューを行い、レポート記事で目の肥えたサポーターに多角的な情報を伝える。
開幕前のチーム状況について「11日にJ1札幌との練習試合では負けたが、前戦でボールを奪いに行く守備から、ビルドアップできるなど攻撃の幅が広がっている」と、新チームの仕上がりと開幕への期待感を強めている。
琉球がJリーグに参入までの苦労、J3で足踏みから優勝、J2昇格と羽ばたいたドラマを目の当たりにしてきた記者の視点で「チームと選手がこれからどう変わっていくのか。それを感じ取り、伝えていきたい」と、語った。
(喜屋武研伍)