一転参加の5市、好調 県民投票・期日前初日 うるま5倍、宜野湾4倍 市町村、広報に温度差


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期日前投票をする玉城デニー知事=15日午前、沖縄市役所(代表撮影)

 辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票の期日前投票が始まった15日、県内各市の期日前投票所には、昨年9月の県知事選の期日前初日を上回る大勢の県民が詰め掛けた。各市町村では投票を呼び掛けるのぼりやポスターが掲示され、投票率を上げる広報活動も本格化している。

 知事選とは期日前投票の期間も異なるため単純比較はできないものの、参考値として初日同士の伸び率を比べると大きく伸びていることが分かる。市部で伸び率が最も大きかったのはうるま市で5・45倍。知事選で210人だった初日の期日前投票が1146人と急増した。宜野湾市も236人から4・28倍の1011人に増えた。

 石垣市と宮古島市でも2倍を超え、当初市長が県民投票の事務実施を拒否していた自治体でも市民の投票意欲が高いことが示された。沖縄市は1・58倍にとどまったが、知事選より500人近く多い1305人が足を運んだ。

 那覇市役所1階に設けられた期日前投票所も来場者が途切れることなく、1930人が投票を済ませた。知事選の初日は1132人で、担当者は「今回予想以上の勢いでびっくりしている」と話した。投票所に置いていた千枚の投票用紙が午後1時の段階で切れ、千枚を追加配置したほどだった。

 県民自ら期日前投票所に足を運ぶ一方、広報活動は県の役割となっており、自治体で温度差がある。南城市は瑞慶覧長敏市長自らが市内放送でアナウンスし、街頭でも投票を呼び掛ける予定だ。北大東村は独自にチラシを作成し280世帯に配布した。北谷町も独自に作成した横断幕を主要交差点5カ所に設置した。

 久米島町ではFMラジオで案内する。うるま市や糸満市は無料通信アプリLINE(ライン)も周知に活用する。本部町や与那国町など複数の自治体は防災無線で投票を呼び掛けるほか、国頭村などはCDを流しながら広報車を走らせる。

 県は投票を呼び掛ける懸垂幕やのぼり、ポスター、チラシなどを県予算で手配し、全市町村に送付している。多くの自治体は県作成の掲示物を公共施設などに掲示するほか、ホームページや広報誌で案内するが、それ以上の取り組みは予算がないため見送る方向だ。