「いろんな意見聞けた」 県民投票フォーラム 新基地へ考え深める


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登壇者らに拍手を送る聴衆=16日午後、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 琉球新報ホールで16日に開かれた「未来決める1票『2・24県民投票』フォーラム」は約150人が来場し、名護市辺野古への新基地建設の賛否を問う県民投票へ向けた議論に耳を傾けた。米軍普天間飛行場の辺野古移設について「賛成・容認」の登壇者2人は段階的に基地負担を軽減するなどの現実路線を強調した。「反対」の登壇者2人は、辺野古新基地建設は負担軽減にはつながらず、米軍普天間飛行場の返還どころか固定化につながると主張した。双方の率直な意見交換に客席からは拍手や「そうだ」との声が上がった。

 議論を聞いた那覇市に住む公務員の川平長作さん(49)は「いろんな意見が聞けて良かった。判断材料になった」と考えが深まった様子。普天間飛行場がある宜野湾市から訪れた普天間悠人さん(25)は「賛成派や反対派だけでなく、本土の人も巻き込んで皆で議論しないといけないと思う」と語った。

 名護市から駆け付けた元社会福祉士の中山吉人さん(62)は「賛成・容認」の登壇者2人の意見に納得できないとしつつも「この場に出てきて話したのは立派なことで、拍手を送りたい」と付け加えた。那覇市に住む浪人生の照屋美波さん(19)は「大学教授など専門家が並ぶシンポジウムと違い、市民に近い人が登壇し分かりやすかった」と語った。

 「賛成でも反対でも根拠がある意思表示ならいいと思う」と話すのは那覇市に住む高校教員の女性(47)。「フォーラムを通じていろんな見方や考え方を知り、生徒たちに伝えたい」と今後へ生かす考えを語った。

 自身は「反対」の立場だと明言する豊見城市から訪れた主婦の女性(46)は「もっと賛成の人の意見も聞いてみたい。いろんな意見を言える環境になった方がいい」と率直な議論が深まる環境を望んだ。