スポーツ

太田黒、終盤一気 20歳長山は県記録 2019おきなわマラソン

 第27回2019おきなわマラソン(主催・中部広域市町村圏事務組合、琉球新報社、沖縄テレビ放送、沖縄陸上競技協会、県総合運動公園指定管理者トラステック・ミズノ共同企業体、共催・県高校体育連盟)は17日、沖縄市の県総合運動公園を発着点に開催された。フルマラソンの総合順位はフルマラソン初挑戦の太田黒卓(埼玉県、上武大4年、22歳)が終盤に後続を引き離し、2時間23分44秒で大会初優勝を飾った。女子は県勢の長山夢芽(大阪府、北山高―大阪芸術大学3年、20歳)が2時間42分15秒でマラソンの県新記録で頂点に立った。フルマラソン一般の部男子は堀井勇希(茨城県、27歳)が2時間30分5秒、女子は土田美優(神奈川県、24歳)が3時間10分37秒で1位だった。

◆想定通り 登坂スパート/太田黒


スパートをかけ、後続を引き離す太田黒卓(右)=17日、北中城村のキャンプ・フォスターゲート前(又吉康秀撮影)

 フルマラソン初挑戦の太田黒卓(22)=埼玉県、上武大4年=が自身のプラン通りに終盤で1位集団から抜け出して初優勝をつかみ取った。両手を掲げゴールテープを切り、フィニッシュゲートに向かって一礼。最後は独走状態となり余力を残した雰囲気もあったが「結構アップダウンが激しくてきつかったが、沿道の声援で完走できた」とうれしそうに本音を漏らした。

 スタート直後からトップ集団に付けた。力のある選手らがけん制し合うスローな展開に合わせ、1キロを3分20~30秒のペースでついて行った。次第に集団は絞られて25キロ手前からは太田黒、サイラス・ジュイ、宮城壱成の3人横一戦でレースを展開していった。

 勝負は36キロすぎ。事前の下見でカーブもあり、姿が見えなくなることで心理的な部分でも有利に動くと踏んでいた。キャンプ・フォスター前の上り坂でスパートをかけると次第に差は開き始め、渡口交差点までの下り坂では後続が見えないほどに差を付けた。

 大学ではトラックの5000メートルや1万メートルなどの長距離が専門の一方で、駅伝部の主将を務め、箱根駅伝の経験を持つ。沖縄での大会は多良木高校(熊本)時代の南九州陸上大会以来。「暑さに負けないくらいの熱い応援をしてもらいとてもいい大会だった」と楽しそうに振り返る。

 「学生のうちにフルを経験できてよかった」と手応えも感じる。「また機会があれば走りたい」と再び、初優勝の地沖縄での頂点奪取を期待させた。
(屋嘉部長将)

◆「努力の子」初挑戦快挙/長山夢芽


独走で県記録をつくった長山夢芽(右)=17日、沖縄市の海邦橋付近(ジャン松元撮影)

 「県記録が出るぞ」。陸上関係者がざわつき、会場のモニターに視線が集まる。2時間42分15秒でゴールテープを切った長山夢芽(北山高―大阪芸術大3年)が両手の拳を上げ、顔をしわくちゃにさせた。フルマラソン初挑戦で、2010年に当時沖国大の安里真梨子が出した県記録を46秒上回った。「本当に欲しいタイトルだった。県記録更新もうれしいです」と快挙に声は弾んだ。

 序盤から女子の先頭に躍り出て、自分の設定したタイムに合った男性ランナーに付き、ペースを調整した。リズム良く走り続けた25キロ地点。余力もあり、ペースメーカーの男性ランナーから離れると、はっきりと見えてきた「県記録」に向かってひた走った。

 大会には強い思い入れがあった。昨年10月、8位入賞した全日本大学女子駅伝でアンカーを務めた。しかし区間17位で、個人としては不本意だった。

 「タイトルを取って、今シーズンへの良い弾みにしたかった」。週3~4日はチームメートよりも10~20キロ多く走り込んだ。全日本駅伝の悔しい経験が何よりの原動力だった。

 大学の中瀬洋一監督は目を真っ赤にし「(長山は)沖縄県の力になりたいといつも言っていた。本当に努力の子です」と話した。長山は「一人でもペースを押すことができたし、自信になった」と表情は明るい。次は悲願の全国駅伝の頂点へひた走る。
(喜屋武研伍)









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