アスティーダ 最終戦飾れず 彩たまに0―4


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琉球アスティーダ―TT彩たま 第4マッチ 力強いスマッシュを放つアスティーダの荘智淵=22日、宜野湾市立体育館(大城直也撮影)

 卓球の国内新リーグ「Tリーグ」の男子・琉球アスティーダは22日夜、宜野湾市立体育館でTT彩たまと対戦し、0―4で敗れた。この試合がアスティーダにとって今季最終戦だった。通算成績は6勝15敗。リーグ最下位の4位で終えた。試合は第1マッチのダブルスの丹羽孝希・有延大夢組、第2マッチのシングルス陳建安(チェン・ジェンアン)、第3マッチのシングルス丹羽まで1ゲームも取れずに敗戦が確定。第4マッチの荘智淵(ジュアン・ジーユアン)が何とか1ゲームを取り返したが、勝利を逃した。同日の試合はホームでの今季最終戦ということもあり、615人の観客が詰め掛け、選手らに熱い声援を送った。男子のTリーグは24日まで行われる。3月17日に東京の両国国技館で行われるプレーオフは、現在1位の岡山リベッツ、2位のKM東京の対戦となる。

◆声援に応え 来季は上昇

 リーグ最終戦、琉球アスティーダは0―4でTT彩たまに完敗し、最下位で今季を終えた。それでも、ファンは落胆せず、大声援でチームをたたえた。試合後、選手と集合写真を撮影し、多くのファンがサインを求めた。チームが沖縄に根付き始めたことを印象づける最終日だった。

 試合は相手選手の試合巧者ぶりに丹羽孝希・有延大夢組が敗れ、続くシングルスの陳建安も敗戦。21日にシングルスの連勝が10で止まった丹羽も「すごい落ち込んで引きずってしまった」と第3マッチで完敗した。第4マッチの荘智淵が1ゲームを奪い一矢報いたが、白星には遠かった。

 チーム全体ではダブルスでの勝率の低さが課題だったが、丹羽は他チームとの選手数の少なさにも触れ「個人的にはハングリーになれてシングルスで10連勝できたが、(バリエーションの少ない)シングルスは対策されていた。シングルスは勝率が良いので選手が増えればプレーオフの可能性も増える」と振り返る。球団の早川周作代表もファンに向け「来季に向け補強する。選手2人はもう決まっている」と報告した。

 リーグ後半、尻上がりに力を発揮した有延は「練習成果をTリーグの舞台で発揮する重要性を痛感した」と収穫の多さを実感した様子。試合の様子を個人のスマートフォンで撮影し何度も見返している努力家の荘も「今季は波が大きかった。10点のうちの6・5点」と自己評価。「レベルの高いリーグの実力に合わせられるよう努力したい」と、いつもの真剣な表情で語った。  (嘉陽拓也)

◆「もっと頑張らないと」外間監督

 新リーグ初年度を最下位で終えた琉球アスティーダの外間政克監督は、声援を送り続けてくれたファンに感謝して「リーグ後半戦は見に来てくれるファンも減ったが、それはチームが勝てないから。これから上昇気流に乗るためにしっかり頑張らないといけない」と話し、来季の勝利へ向け気持ちを切り替えた。

 チームとしては第1マッチのダブルスでの勝率の低さに加えて「(代表戦の)ビクトリーマッチでの勝利がなかった。一つでも取れたらもう少し上もいけたかもしれない」と振り返る。

 監督としては外国人選手のマネジメントという新たな役割も増えており「張一博コーチの力が大きかった。Tリーグの監督はもっと世界を知り、勉強してアドバイスしないといけない」と語った。

最終戦を終え、ファンと一緒に記念撮影する琉球アスティーダの選手ら

◆「ありがとう」観客、選手ねぎらう

 今季最終戦、琉球アスティーダは黒星で終えたが、試合後は多くの観客から「お疲れさま」「ありがとう」など、「琉球」の名を背負い、新リーグを戦い抜いた選手らをねぎらう言葉があった。

 試合はリードされた状況を変えられずに劣勢のまま進んだ。しかし第4マッチで荘智淵(ジュアン・ジーユアン)が巧みなプレーで1ゲームを先取すると、会場は熱気をとり戻した。

 試合後は、観客から感動の声が相次いだ。浦添中学卓球部の比嘉虹南さん(1年)は「ラリー、フットワークなど全てがすごかった」と話した。

 家族で会場に来ていた宮城良美さん(36)=沖縄市=は、「世界トップ選手のプレーを沖縄で見られて良かった。また見に来たい」と声を弾ませた。