米軍臨時空域も非公開 日米、75年に“密室”合意


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共産党の穀田恵二国対委員長が示した、米軍機の運航情報の非公開を確認した日米間の合意文書

 【東京】米軍機の運航情報を非公開とすることを日米が確認した1975年の合意文書に、米軍が民間航空機の運航を制限して訓練する「アルトラブ(ALTRV)」と呼ばれる臨時空域に関する情報も含まれていることが22日、分かった。既存の訓練空域とは別に必要に応じ設定されるアルトラブは、ここ数年の間に沖縄周辺で大幅に拡大していることが判明している。国会を通さない日米合同委員会での“密室”の合意が根拠となり、実態把握が困難となっている側面が浮かび上がる。

 共産党の穀田恵二国対委員長が22日の衆院予算委員会で、独自に入手したとして75年の合意文書を取り上げた。

 文書は、日米合同委員会で承認された「米軍航空機の行動に関する情報の不公開について」(75年4月30日)と題する覚書と、その内容を通知する運輸省(現在の国土交通省)航空局長宛ての「米軍機の活動に関するデータの不公表について」(同5月14日、外務省アメリカ局長)。米軍機の飛行計画や交信記録、アルトラブなどの航空情報について「(日米の)いずれの政府も双方の合意なしには公表しない」と記されている。

 政府はこれまで、米軍機の運用に関する情報不開示を確認した75年の日米合意の存在を認めてきたが、内容の公開には米側の同意が必要だとして対外的に示していない。河野太郎外相は22日の予算委で「文書は外務省にある」と存在を認めたが、非公開情報の対象にアルトラブが含まれるかについては言及しなかった。