沖縄県議会代表・一般質問 県民投票の評価巡り激論


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与党「反対の民意明確」
野党「有権者37%のみ」

 沖縄県議会2月定例会は28日で代表、一般質問が終了した。辺野古埋め立ての賛否を問う24日の県民投票で示された「反対」多数の民意の在り方を巡り、与野党の質疑が集中し、激論が交わされた。与党側が「反対が7割を超え、新基地建設反対の民意が明確に示された」と主張したのに対し、野党は1996年の県民投票を引き合いに「反対は全有権者の37%しかない」と明確な民意かを疑問視する声が相次いだ。

 玉城デニー知事は「辺野古埋め立てに絞った県民の民意が明確に示されたのは初めてで、極めて重要な意義がある」と述べ、県民投票で大きな成果を得たとの姿勢を見せた。

 池田竹州知事公室長は今回の県民投票について「投票された一人一人が辺野古問題を考え、意思を示したと思う」と繰り返し述べ、県民投票の意義を強調した。一方、県民投票の結果にも関わらず政府は埋め立て工事を続行しており、与党からは批判が相次いだ。

 安倍晋三首相が国会答弁で認めた埋め立て予定地の軟弱地盤の存在を巡り、県は地盤改良工事の費用が1500億円にふくれあがると答弁した。当初500億円と試算していたが、政府が正式に改良工事の規模を明らかにしたことで試算を改めた。埋め立て承認「撤回」の効力を止めた国土交通相の執行停止決定を不服とする県の異義申し立てを巡り、国地方係争処理委員会が2月18日に県の審査請求を却下したことについても今後の県の対応で質疑が集中した。県は「国交大臣の執行停止は違法であり、承認取り消しで埋め立ては効力を失っている」との見解を示し、提訴も視野に検討するとした。

 千葉県野田市で起きた児童虐待死亡事件も質疑が集中し、県の対応や実効性のある児童虐待の防止策を求める声が与野党双方から相次いだ。玉城知事は、児童虐待防止に関する条例について「国の動向、県社会福祉審議会などの意見も踏まえながら条例制定について検討していきたい」と述べ、制定に前向きな姿勢を示した。
 (吉田健一)