FC琉球 強豪を連破 J2 福岡戦○大宮戦○


社会
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 サッカー明治安田J2の第2節、FC琉球は2日、埼玉県のNACK5スタジアム大宮で大宮アルディージャと対戦し、4―3で勝利した。開幕戦のアビスパ福岡に続き、J1経験のある強豪から奪った白星で、チームに勢いをつける2連勝スタートとなった。琉球は前半16分に田中恵太が先制するも、3分後に返され、同点で前半を終えた。後半11分に右サイドからチャンスをつかみ、鈴木孝司がシュートをねじ込み勝ち越し、さらに2分後に再び鈴木、同16分に上門知樹が得点。厚みのある攻撃で一気にリードを広げた。しかし終盤から大宮のパスがつながりPKなどで2失点、1点差まで迫られたが、守護神ダニー・カルバハルがロスタイムで連続してファインセーブを見せ、4―3で逃げ切った。琉球は10日の愛媛FC、16日の徳島ヴォルティスとのホーム2連戦に臨む。

(1)NACK5
琉球 2勝(6)
 4―3(1―1,3―2)
大宮 1分け1敗(1)
▽得点者 【琉】 田中(1)鈴木2(4)上門(1)【宮】 ファンマ(1)富山(PK)(1)渡部(1)
▽観客 7867人

◇最強軍団 勝利に舞う

琉球―大宮 前半16分、右足を思い切り振り抜き、先制ゴールを決める琉球の田中恵太(左)=2日、埼玉県さいたま市のNACK5スタジアム大宮(喜屋武研伍撮影)

 得点のたび、スタンドの100人余りのFC琉球サポーターたちは沸き、樋口靖洋監督も何度も何度もガッツポーズする。J1での実績もある大宮に4―3で攻め勝ち開幕連勝。琉球の選手たちは試合後に、サポーターの前まで駆け寄り、恒例の「勝利のカチャーシー」を披露した。昨季と変わらない、“最強”の姿があった。

 遠く離れたアウェーの地で、7千人を超える大宮サポーターの大応援が琉球を待ち受けた。その中で後半11分すぎから5分間で3得点。一気呵成(かせい)の琉球の攻撃力に、大宮の声援は少しずつボリュームが落ちていった。先制点を決めた田中恵太は「めっちゃ気持ち良いですね」と笑顔だった。

 序盤から琉球が主導権を握った。大宮は3―2―4―1で守備時は5バックと手堅く守った。それでも前線の鈴木孝司らは引いてパスを受けず、横一線に並んだ相手守備陣の間に体を入れ、パスを待った。全員が「後ろに引かずに前を意識した」(鈴木)。攻撃に対する積極的な気持ちは揺るがなかった。

 2ボランチの上里一将、風間宏希らを中心にボールを回し、中央突破が難しいと素早く両サイドに展開、クロス攻撃に切り替えた。ピッチ上で頻繁にコミュニケーションを取り、状況に応じて攻撃態勢を切り替える。前にボールを出す意識を全員が共有し続けた。

 一方、終了間際に失点を重ね、守備に対する共通意識が乱れた。相手の勢いに押され、危ない場面が何度もあった。守護神ダニー・カルバハルがぎりぎりのプレーでゴールを死守し、1点差で逃げ切った。指揮官は「僕自身も含めてまだ反省しなければならないなと感じた」。収穫と課題を重ねながら、J2の舞台を進んでいく。

 (喜屋武研伍)