琉球大学の伝統サークル 八重山芸能研究会、半世紀の活動に幕 大学生が島の歌と踊り継承 感謝、誇り胸に 3月9日に解散式


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琉大八重芸50周年記念公演で「どぅんた」を歌う参加者たち=2017年9月17日、アートホテル石垣島

 八重山芸能の発掘・保存・継承に取り組んできた琉球大学の学生サークル「八重山芸能研究会(八重芸)」が、2018年度で50年余の活動を終える。同会は1967年11月、八重山高校出身者を中心に「八重山民謡同好会」として発足した。1968年の第1回発表会から2017年の第50回発表会までに延べ1236人の部員が舞台を踏んだ。同会の解散式は9日、沖縄県那覇市泉崎の琉球新報社屋上庭園で開かれる。

 同会は当初、研究所で習う八重山の歌や踊りを中心に練習していた。70年に小浜島夏合宿で、島ならではの「小浜節」の歌い方や踊り、家を建てる際の土固めの儀式「地ピシ」を取材。以後、島に受け継がれる古謡から節歌、祭りの場で演じられる芸能まで直接伝承者から取材・記録し、舞台で発表してきた。

 琉球大学が国立に移管した72年に「八重山芸能研究会」に改称した。八重山芸能に関心のある学生であれば、他校や留学生も受け入れ、多くのOBが卒業後もサークル棟を訪れて後輩と歌い踊り、酒を酌み交わすなど会の結束力も強かった。

 しかし、2005年に始まったサークルプレハブ棟の改築工事に伴い、同棟の使用時間が制限されて練習時間が短縮。活動の縮小に伴い部員も減り、OBの足も遠のき、2018年度の部員は4人だった。

 同会は昨年、同好会時代を含めた八重芸の50年の歩みをまとめた記念誌「『八重芸』五十年」を発刊した。学生時代に同会で部員として活動した後30年間にわたり顧問を務めた山里純一琉球大名誉教授が編集した。山里名誉教授は「八重芸で活動した部員、支えてきたOBの皆さんに感謝したい。長きにわたり活動を継続してきたことを誇りに思う」と話した。

 「『八重芸』五十年」出版祝賀会&八重芸解散式は9日午後5時30分から。会費5千円。事前問い合わせが必要。

 問い合わせは同式実行委員会メールyaegei2019@gmail.com