20年の祝い笑顔で締める MONGOL800武道館ライブルポ


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MONGOL800の(左から)儀間崇、髙里悟、上江洌清作(Ko-King@koukitakeyasu撮影)

 沖縄県出身バンドのMONGOL800(モンパチ)の結成20年を祝う最後のライブ「MONGOL800 20th ANNIVERSARY FINAL!! “モンパチハタチ at 日本武道館”」が2月27日、東京都の日本武道館であった。3度目となる日本武道館には満場の8000人が駆け付け、モンパチらしい爽やかなサウンドと心温まるメッセージが観衆の心をつかんだ。

 上江洌清作(キヨサク、ベース・ボーカル)、儀間崇(タカシ、ギター・ボーカル)、髙里悟(サッシ、ドラム・ボーカル)の3人は最後まで笑顔を絶やさずに2時間半のステージ全24曲を歌い上げた。

 幕開けは「Melody」。NARI(サクソフォン)とSeasir(トランペット)によるTHE BRASS BROTHERSのサクソフォン、トランペットに乗せて、軽快なサウンドを放った。キヨサクが「武道館、遊びましょう!」と叫ぶと、観衆は奮い立つように叫び返した。そのまま「PARTY」へと進むと、キヨサクはすぐさま「武道館でパーティーしようぜ!」と声を張り上げ、勢いよく熱唱した。

 「HAPPY BIRTHDAY」ではハタチになったモンパチを祝うように歌い、「愛する花」では会場が一体となって歌声が響き渡った。

 3人がMCで話していると、ステージの下から「タカシ、タカシ」と叫ぶ声が…。ステージ中央からゆっくりと舞台装置が動き、パーティーダンサーの粒マスタード安次嶺が現れると会場は一気にヒートアップ。「OKINAWA CALLING」が始まると安次嶺の滑稽で切れのあるパフォーマンスが会場を沸かせた。

8千人の観衆に向けて熱いサウンドと歌を届けたMONGOL800のメンバーら=2月27日、東京都の日本武道館(Ko-King@koukitakeyasu撮影)

 ステージの後半は代表曲「小さな恋のうた」を華々しく歌い、「あるがまま」「月灯(つきあか)りの下で」などしっとりとした曲も披露した。「神様」や「琉球愛歌」など沖縄の問題や平和への思いを込めた楽曲もセットリストに入れた。「琉球愛歌」は過去2回武道館で歌われている楽曲。北谷町の栄口青年会を迎えて、力強い太鼓の音に合わせて訴えかけるように熱唱し、真っ赤に染めた照明も印象的だった。

 MCでは20周年を迎えたことへの感謝の声を聞かせた。キヨサクは「ど平日の日にたくさんの人が武道館に来てくれてありがとう」と喜んだ。タカシは「みんなのおかげで20周年を迎えた。ありがとう」とコメント。サッシは「高校生の頃、ドラムのできない初心者の俺を2人がメンバーとして誘ってくれた。おかげで今武道館に立つことができた」と感極まった。

 アンコールではGO!GO!7188のカバー曲「こいのうた」でキヨサクの甘い声を聴かせて観衆の目を潤ませた。昨年9月に安室奈美恵の引退直前ライブで歌った「TRY ME~私を信じて~」が披露されると、会場からは驚きと歓声があふれた。続けて「あなたに」「DON’T WORRY BE HAPPY」「夢叶(かな)う」を歌い、盛り上がりは頂点に。

 最後は古里沖縄への思いが詰まった「Home」で締めくくった。キヨサクは「これからももっと長いお付き合いをしてください。またいつか遊びましょう」と観衆に伝え、ステージを後にした。

 3人は終始楽しそうな表情で2時間半のライブを乗り切った。これからも、心を熱くするような曲をつくり、節目の年には必ず武道館に帰ってくるだろうと感じたライブだった。
 (金城実倫)