京都大学、争う姿勢 琉球遺骨返還訴訟 請求棄却求める


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人類学者らが持ち出した遺骨がいまだ返還されていない百按司墓=今帰仁村

 沖縄県今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から持ち出した遺骨返還と損害賠償を求め琉球民族遺骨返還研究会の松島泰勝代表らが京都地裁に提訴したのに対し、京都大学は5日までに京都地裁に答弁書を提出し、原告側と全面的に争う姿勢を示した。京都大は遺骨返還と損害賠償請求に対し、いずれも棄却を求めた。京都帝国大(現在の京都大)の研究者によって遺骨が持ち去られた経緯や、現在同大が遺骨を保管していることについて、ともに違法性はないと主張している。琉球遺骨返還請求訴訟の原告団と弁護団が明らかにした。同訴訟は8日、京都地裁で第1回口頭弁論がある。京都大は答弁書で、研究者が当時の県庁などから許可を得たことを挙げて、今帰仁村の百按司墓から遺骨を持ち出したことは盗掘には当たらないと主張している。

 遺骨返還を求める原告側に対し、原告とどの遺骨に因果関係があるのか立証するよう求めている。

 8日の弁論は、百按司墓と関わりがあるとされる第一尚氏の子孫として原告となった亀谷正子さん(74)が意見陳述し、弁護団が訴状の要旨を陳述する。