「植民地主義の表れ」 遺骨訴訟口頭弁論 原告、京大に返還求め


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 【京都で宮城隆尋】昭和初期に今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓から持ち出された遺骨を保管している京都大学に遺骨の返還と損害賠償を求めた琉球遺骨返還請求訴訟の第1回口頭弁論が8日、京都地裁(増森珠美裁判長)であった。百按司墓と関わりがあるとされる第一尚氏の子孫として原告となった亀谷正子さん(74)=うるま市=が意見陳述した。原告側は遺骨の持ち出しと保管が憲法や民法、国際人権法に違反しているとして返還を求めた。京都大は違法性を否定し、請求の棄却を求めた。

 亀谷さんは「先祖の遺骨が異郷の地に置かれ、子孫との交流もできずに霊魂がさまよい続けていると思うと、切ない気持ちになる」と述べた。その上で京都大が遺骨を返還していないことに対して「差別された気持ちになった」「植民地主義の表れだ」と強調した。

 京都大は研究者が当時の県庁などから許可を得たことを挙げ、遺骨持ち出しは盗掘には当たらないと主張。原告側に対し、原告とどの遺骨に因果関係があるのか立証するよう求めた。