比嘉真美子 単独首位、一気伸ばす ダイキン女子ゴルフ第2日


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 ゴルフの国内女子ツアー開幕戦となる「第32回ダイキン・オーキッド・レディストーナメント」は8日、南城市の琉球GC(6514ヤード、パー72)で予選2日目を行い、2位で出た比嘉真美子が1イーグル、6バーディー、2ボギーの66と伸ばし、通算8アンダー、136で単独首位に立った。2打差の2位に初優勝を目指す小祝さくらが付けた。県勢は大城さつきと宮里美香が通算イーブンパーで21位、上原彩子は通算1オーバーで31位、新垣比菜は通算2オーバーの41位で予選を通過した。通算2オーバーまでの54人が決勝進出を果たした。2位タイスタートだった諸見里しのぶはスコアを落とし、通算3オーバーで予選落ちした。(観衆2900人)

◇圧巻イーグル締め 比嘉真美子、心技安定8アンダー

9番 残り119ヤードで見事なイーグルを奪う比嘉真美子=8日、南城市の琉球GC(大城直也撮影)

 比嘉真美子が六つスコアを伸ばし、通算8アンダーで単独首位へ駆け上がった。圧巻は上がりの9番(パー4)。残り119ヤードからPWで直接カップインし、「ボールが消えた」のが見えると、両手を高く空に掲げた。イーグル締めに大集結するギャラリーがどよめいた。

 これは「ご褒美」、そして17番までは「普通のことを当たり前に、一生懸命にやっただけ」と言い切る。経験に裏打ちされた自信が、リラックスとショットの安定を生み出している。

 「一喜一憂することが少なくなった」と語る通り、4バーディーで折り返した後半、出ばなの1、2番で連続ボギーとしたが、「しょうがない」と切り替えた。直後のショートの3番は、グリーン手前の斜面から乗せた2打目にギャラリーが「ああー、弱い」。次に落ち着いてパーパットを沈めると「おうっ」「良かった~」とファンが一喜一憂した。

 ティーショットのフェアウエーキープは14ホール中10、パーオン数は14。メンタルのトレーニングは「特にしていない」というが、4年前に元広島の前田智徳さんとゴルフ交流した際に受けた助言から、「良くても悪くても、なるようにしかならない」という糸口を見つけていったそうだ。

 今大会の前には、東京五輪へ向けた強化指定合宿で栄養士に助言をもらい、食事も見直した。「すごくいいラウンドだった」予選だが、「まだ半分」と切り替える。優勝が見えてくるのは「4日目のバックナイン」に入ってから。一打入魂で決勝初日のティーグラウンドに立つ。(石井恭子)

◇大城さつき 前半好調も後半崩す

2番 ティーショットを放つ大城さつき(田中芳撮影)

 前半で三つの貯金をつくり、好調だった大城さつきが、ドライバーが曲がった後半にスコアを崩した。2日目を6バーディー、3ボギー、1ダブルボギーとし、通算イーブンパーで21位でフィニッシュ。雨の降る中でのプレーに「パットの調子は良かったが、グリーンの硬さや速さがイメージと違い、ショットやアプローチで突っ込めなかった」と悔しんだ。

 ラフの深い今回のコースに「ラフに行かなければボギーはない」と踏んでいた。前半はスタートの10番以外は全てフェアウエーをキープ。「すごいフックやスライスが入ってくれてついていた」と4バーディー、1ボギーで折り返す。

 後半はドライバーが曲がり始め、5番はギャラリーのロープを越えた。約1・5メートルのボギーパットを決めきれずダブルボギーにするなど、前半の貯金を使い果たしてしまった。

 予選通過でひと安心した様子も見えるが「失うものはないので攻めて優勝を狙いたい」と力を込めた。(屋嘉部長将)

◇我慢で一つ伸ばす 宮里美香

5番 アプローチショットを放つ宮里美香

 宮里美香が通算イーブンパーの21位で予選を通過した。2バーディー、1ボギーで「一つしか伸ばせなかった」と反省。チャンスにつけても芝目が読み切れず、パットが決まらない展開にもやもやする一方で、バンカーからのナイスパーもあり、「微妙なパットも結構入った」と我慢のゴルフだった。

 飛びすぎたショットはコントロールや力加減、イメージの持ち方で「アジャストして、うまく安定した」。ショットには丸印を付けたが、「パットが入らないとスコアが出ないからねぇ」としんみり。

 11番(パー5)は残り140ヤードの3打目をピン7~8メートルに放ち、フックラインをねじ込んだ。13番(パー3)もピンそば2メートルからしっかりバーディーとした。

 パッティングのいい感触をイメージし、ショットが上向いた分も「しっかりパットで入れる、もっとアグレッシブなプレーがしたい」と猛追を誓う。荒天も予想される決勝は自身のゴルフで突き進む。(石井恭子)