「こじつけ」疑うくせを モバイルプリンスの知っとくto得トーク[101]


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モバイルプリンス

 

「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがある。

風が吹くと土ぼこりが目に入り、目を悪くする人が増える。目の悪い人は三味線弾きになるから、三味線が売れる。三味線には猫の革が使われるから、ネコがたくさん殺されてネズミが増える。ネズミは桶をかじるから桶屋が儲かるという話だ。

 

すごい無茶な理屈ですね。
 

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まさに「こじつけ」だ。しかし、こうしたこじつけとネットの相性がいいのが困りものなんだ。

例えば、お笑いコンビ「8.6秒バズーカー」の「ラッスンゴレライは原爆被害をあざわらっている」というこじつけがネット上の「噂」として広がった。

8.6秒は、広島への原爆投下の8月6日を意味している、バズーカは武器の名前…。こうした言いがかりがどんどん出てきて、「8.6秒バズーカー」の仕事先にもクレームの電話が来て困ったらしい。

 

そんなことがあったんですね。
 

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こうした話は、私たちの身近にもある。2月24日に行われた県民投票の結果を沖縄タイムスが中国語でWeb速報を配信した。

そうすると、「中国のスパイだ」とこじつけた意見がたくさん出たんだ。もともと「米軍基地に反対する沖縄は、中国の手先」だというこじつけ意見がたくさん出ていたので、それに乗っかる形での言いがかりだ。

 

この手のこじつけ、本当に多いですね。
 

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実際、沖縄タイムスは、同じ速報記事を日本語・英語でも配信していた。

沖縄タイムス側は「重要なニュースだったので、日本語だけでなく、英語・中国語で配信した。人手に余裕があれば他の言語でも配信したかった」とコメントした。

中国語の配信記事「だけ」を見ると「なぜだろう?」と思うかもしれないが、前後の記事やツイートを見ると、ちゃんと日本語や英語の記事があるので「中国のスパイ」とこじつける人も減ったと思う。

 


イラスト・小谷茶(コタニティー)

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ネットで仕入れた情報に少しでも疑問に思うことがあったら、落ち着いて調べないといけない。

今回のこじつけも、10秒時間をつくって確認するだけで信じる人は減ったと思う。こうしたこじつけだけをどんどん信じていくと、最終的には事実に基づいた話し合いが難しくなっていく。

「これぐらい大丈夫」とは思わず、普段からしっかりと考えることが求められるね。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/