観光けん引 ハブ機能強化 国内・国際線連結、あすから


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際内連結ターミナル施設ではチェックインカウンターがこれまでの3倍となる60ブース設けられた=13日、那覇空港

 那覇空港の旅客施設を運営する那覇空港ビルディング(NABCO、兼島規社長)は18日、国内線と国際線の旅客ターミナルビルをつなぐ「際内連結ターミナル施設」の運用を開始する。三つの旅客施設が一つのターミナルビルとなるため、名称は統一され「那覇空港旅客ターミナルビル」が“誕生”する。名称変更だけでなく空港施設は機能が拡充、2020年3月には第2滑走路の供用も始まり、新たな那覇空港の時代が始まる。

 沖縄の空の玄関口として地元のリーディング産業、観光を文字通りけん引する役割を果たしている那覇空港。18年の旅客数は速報値で2138万人(国内線1754万人、国際線384万人)で、1日当たり6万人近くが利用している。

 第2滑走路の供用開始によりさらなる旅客数増加が見込まれるため、この状況に対応し、さらなる利便性向上を図ろうと際内連結ターミナルは建設された。

 同施設の延べ床面積は3万9200平方メートル。国内線と国際線の2ビルと統一されたことで、全旅客ターミナル施設の延べ床面積は15万2500平方メートルとなり、イオンモール沖縄ライカムに匹敵する施設となる。

 連結施設には現国際線ビルの全チェックインカウンター20ブースが3階に移動し、3倍の60ブースに増設される。手荷物を預けた後に自動的に爆発物検査を行う「インライン・スクリーニング・システム」が導入される予定で、スムーズな搭乗が期待されている。

 暫定貨物LCCビルのチェックインカウンターも移転するため、シャトルバスでの移動が不要になる。2階には国内線搭乗待合室と37番、41番スポット用旅客搭乗橋が新設され、昨年12月に運用が始まっている。国内線1階には出発バスラウンジも増設された。

 連結施設の整備に続き、国際線のCIQ(税関・出入国管理・検疫)施設の工事が始まっており、来夏にはCIQカウンターが2倍に拡張される。

 機能強化が進む那覇空港は施設の一体化で乗り継ぎが容易になり、トランジット空港、「国際旅客ハブ構想」に近づく。日本の南の空の玄関口として、存在感をさらに高めそうだ。