キングス粘り切る 福岡に61―59 Bリーグ第47戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は17日、宜野湾市立体育館でライジングゼファー福岡(西地区5位)と今季第47戦を行い、61-59で逃げ切り、2連勝した。成績は30勝17敗となった。出だしから競り合う展開の中、ややリードをつくったキングスだが、ミスが散発して第3クオーター(Q)に追い付かれた。第4Qは1点を争うゲームの中、残り14秒から岸本隆一がうまくファウルを誘ってフリースローを奪い、その二つを沈め、61-59で競り勝った。次戦は23、24の両日、滋賀県のウカルちゃんアリーナで滋賀レイクスターズと戦う。

キングス(30勝17敗)
 61―59(14―12,18―12,13―20,16―15)
福 岡(11勝36敗)

 【評】序盤から攻撃が流れるような形では決まらないキングスだが、3点弾の精度で上回りリードをつくる。攻撃でターンオーバーが連発。外国人選手を絡める福岡の攻撃に徐々に苦しみ接戦へ。第4Qは守備のリバウンドで踏ん張り、同点で迎えた最終盤に、岸本隆一が相手のうまくファウルを誘って、精度の高いフリースローで勝負を決めた。

◆勝ち切れたの大きい

 佐々宜央HC(キングス)の話 ターンオーバー18と普通は勝てない状況だが、競り合う中で勝ち切れたのは大きい。しかし、こういう状況にしなくていいゲームでもあった。

◆審判に文句はない

 ボブ・ナッシュHC(福岡)の話 最後のファウルは悔しいがレフェリーのコールに文句はない。うちはフリースローの成功確率が悪い。ボックスアウトも怠って琉球にセカンドチャンスを与えてしまった。内容は16日より良かったが2点差で負けてしまった。

キングス―福岡 第4Q ゴール下に切れ込みながら、アシストのパスを出し得点につなげるキングスの岸本隆一=17日、宜野湾市立体育館(田中芳撮影)

◆岸本 強気攻撃で勝利呼ぶ

 残り14秒で福岡に59―59と追い付かれたキングス。ここで岸本隆一が福岡の守備を見渡し、素早いドライブから相手外国人選手のマークを受けながらシュートへ。相手ファウルとともにフリースローがコールされると、残り時間は「1・6秒」と表示された。勝利を確信した会場から歓声が湧く。1本目は成功。2本目は相手の攻撃時間を削るために外すはずが、得点に。「ファンの皆さんの声援で決まっちゃいました」。狙っていた決着シーンとはならなかったものの、殊勲の岸本はうれしそうにファンに感謝した。

 ロースコアゲームを勝ちきった結果だが、攻撃の連係はうまくいかず、ターンオーバーは計18。守備はアイラ・ブラウンとケビン・ジョーンズが2桁リバウンドで奮闘したが「福岡のギャンブル的なプレーを注意できなかった」(佐々宜央HC)と負けたら大ダメージになりかねない内容に指揮官の喜びは控えめだ。

 一方で岸本は「成長できた試合」と受け止める。10日に2点差で敗れた富山戦と異なり、最後までシュートに集中し、気迫で勝ち越しのフリースローにつなげた。試合後は長女を抱き記者会見室に現れ、「毎回勝ってかっこいい姿を見せたい」と目尻を下げた。

 プレータイム31分と活躍し、守備だけでなく攻撃面でも目立ち始めている須田侑太郎は「味方がズレをつくってくれる。チャンスを逃さないようにプレーの選択肢の向上に取り組んでいる」と意気込んだ。
(嘉陽拓也)