「芸能界の誇り」 宮城能鳳さん芸術院賞 関係者、喜びの声


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 組踊立方の人間国宝、宮城能鳳さんが県内初の日本芸術院賞に選ばれたことに、芸能・文化関係者からは「芸能界の誇りとなり、若い人たちにとっても大きな星となる」と喜びの声が上がった。将来、芸術院の会員になることを期待する声もあった。

 重要無形文化財「組踊」保持者(総合認定)でつくる伝統組踊保存会の眞境名正憲会長は「日本芸術院は国内最高の芸術家でつくる機関だ。組踊の初演から300年という記念の年に受賞したことは大変素晴らしい」と祝福した。「先日発表した新作組踊も素晴らしかった。ますます活躍し、日本芸術院の会員になってほしい」と期待を寄せた。

 能鳳さんは芥川賞作家の大城立裕さんの新作組踊「真珠道(まだまみち)」などの演出を手掛けた。能鳳さんの日本芸術院賞受賞について、大城さんは「これまでの素晴らしい実績が正確に評価された。受賞は当然のことだ」と喜んだ。「今後もますます元気で芸を磨き、後輩の指導にも励んでほしい」と激励の言葉を贈った。

 能鳳さんは実演家として活躍する傍ら、県立芸大の開学当初から学生を指導し、次世代育成に尽力した。同大の比嘉康春学長は「現在活躍する若手はほとんど能鳳先生の教え子で、今日の琉球芸能の隆盛は能鳳先生あってこそだ」と功績をたたえた。今回の受賞について「大学、芸能界の誇りとなり、若い人たちにとっても大きな星となる」と尽きない思いを語った。