那覇空港発着 菅氏「24万回に」 18万5千回想定から大幅拡大


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滑走路増設事業現場を視察する菅義偉官房長官(左)=24日、那覇空港滑走路増設事業現場

 菅義偉官房長官は24日、那覇空港の滑走路増設事業現場などの視察後に記者団の質問に答え、2本の滑走路で運用できる発着数について「飛行経路を見直すことによって24万回まで引き上げる」とし、発着枠の大幅な拡大を図る考えを示した。これまでは18万5千回の想定だった。

 那覇空港では、現在の1本滑走路で安定的に運用できる発着回数が13万5千回となっている。実際には2017年度の発着数が16万6千回に達するなど、13万5千回を上回る運用を余儀なくされ、慢性的な遅延が出る要因となっている。

 2本目の滑走路が完成しても、周辺上空の飛行経路制限や旅客ターミナルまでの航空機の移動に伴う滑走路の停止といった制約要因があり、安定的に運用できる回数は13万5千回の2倍とはならず、18万5千回にとどまる想定だった。実際の発着数が既に16万6千回に達しているだけに、経済界などからは滑走路増設後もすぐに運用が逼迫(ひっぱく)すると指摘されてきた。

 菅氏は「発着の引き上げにより、新たに年間約700万人の観光客を沖縄で受け入れることができ、飛行機の遅れも解消される」と強調した。その上で30年までの訪日観光客数6千万人の目標について「沖縄は好事例だと認識している。那覇第2滑走路の大幅な拡大、そして羽田、成田の発着数をそれぞれ4万回増やすなど目標に向け着実に整備していく」と述べた。