「好きなこと見つけて」 ノーベル医学賞の山中伸弥さん、医療の新地語る


この記事を書いた人 大森 茂夫
生徒たちからの質問に答える山中伸弥さん=25日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 京都大学iPS細胞研究所所長でノーベル生理学・医学賞を受けた山中伸弥さんの講演会が25日、沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開かれた。医療の新地を開いた研究成果が生まれるまでの道筋や最新状況を平易に説明し「私は研究に夢中になってきた。皆さんも好きなことを見つけて」と会場を埋める若い聴衆に呼び掛けた。琉球新報が沖縄科学技術大学院大学(OIST)と共同で取り組む次世代育成事業「科学立県 世界へ 羽ばたけ!未来の科学者~沖縄からノーベル賞を」の一環。

 山中さんは、父が治療法がないまま亡くなったことをきっかけに「現在の医学で治すことのできない患者を治したい」と医学研究に踏み出した。ただ、この大切なビジョンも日常に追われると忘れてしまうことがあるという。

 恩師の言葉として「VW」、ビジョン(V)に向かって一生懸命働く(W=Work Hard)ことを紹介し「この言葉を思い出すことで目指すべき方向が見えることは多い。皆さんに伝えながら、自分にも言い聞かせている」と語り、ビジョンを見失わない大切さを説いた。