労金、中部2店統合移転 コザと具志川 利便性向上、コスト削減 来春、沖縄市美里に


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 県労働金庫(高良恵一理事長)は28日までに、2020年3月にコザ支店と具志川支店を統合して沖縄市美里の宮里中学校近くに移転することを決めた。両支店は築25年以上が経過し、老朽化や店舗が狭く駐車場も足りないなどの課題を抱えていた。移転統合により、店舗機能の拡充など顧客サービスを向上させ、同時に支店維持に伴うコストの削減と職員の効率的な配置で生産性を上げることを目的としている。浦添支店と普天間支店の統合についても適地を探すなど計画を進めている。

 県労金は、本店以外に県庁出張所を含め10店舗を設ける。コザ支店は本店に次いで貸出金、預金の平均残高が多い中心的な店舗だが、店内が狭く混雑時には客が立って待つ状態になることもあった。具志川支店はトイレが店内に男女共用で1カ所しかない。両支店ともに駐車場が少ないこともネックとなっていた。

 新店舗は敷地約780平方メートル、建物面積は約462平方メートルで2階建てを予定しており、駐車15台分と徒歩1分の距離に第2駐車場も用意する。会議やセミナーなどが開けるフリースペースを設ける。ローンプラザを設置し、家族連れの来店に対応するためにキッズスペースも用意する。統合は、ブランチインブランチ(店舗内店舗)方式で行われ、口座番号の変更などの手続きは必要ないという。

 統合によりうるま市内から有人店舗がなくなるが、ATMの設置や渉外担当職員を増員して会員訪問をきめ細やかに行うなど営業体制の強化でカバーする。

 県労金はコザと具志川、浦添と普天間の支店統合を計画し、会員への説明などを続けてきた。2支店を存続した場合に比べ、統合後10年間の累計で約1億800万円の経費削減ができるという。

 高良理事長は「現状の利用者にとって不便な点を改善して、新たな地域の拠点作りをしていく。また収益環境が厳しい中で、健全経営をしていくために経費の削減や人材の効果的な配置などを進めていく。サービスレベルは今よりさらに高くしていく」と話した。

 低金利環境下で収益の見通しが厳しいこともあり、全国的に金融機関の店舗統廃合が進められている。