沖縄の失業率、初めて全国下回る 2月2・1%、景気好調で過去最低を更新


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沖縄労働局が入居する国の那覇第2地方合同庁舎=2018年9月、那覇市

 沖縄県企画部は29日、県内2月の完全失業率(原数値)が2・1%(前年同月2・1ポイント減)だったと発表した。3カ月連続で過去最低値を更新し1%台が目前という低さを記録し、全国(季節調整値)の2・3%も下回った。全国平均は原数値から季節変動を除く統計処理をしているため単純比較はできないが、1972年の日本復帰直後を除くと沖縄が全国の数値を下回るのは初めて。

 沖縄労働局が同日発表した2月の有効求人倍率(季調値)も1・21倍(前月比0・02ポイント減)で、3カ月連続で1・2倍台の高水準を維持している。

 2月の県内で仕事に就いている人の数は前年同月から3万2千人増の73万5千人となり、16カ月連続で増加した。これに対し完全失業者数は1万6千人で、前年同月から1万5千人減と半減した。昨年12月と今年1月の完全失業率は過去最低の2・6%を記録したが、2月はこれをさらに下回った。県雇用政策課は「好調な観光需要の増加などで景気が拡大していることに加えて企業誘致などに取り組んだ結果」と分析した。

 県内の完全失業率はバブル景気が終了した1990年代はじめから上昇し、2001年平均で過去最悪の8・4%となった。同年9月には9・4%に達するなど、90年代後半から2000年代には全国平均の約2倍といわれる7~8%台の高失業率が課題となってきた。

 県は税制優遇などを呼び水に雇用吸収力の高いコールセンターなどの企業誘致に取り組んできたほか、近年は観光客の急増を背景にした県外企業の進出が相次ぎ、大型リゾートホテルや大規模商業店舗、コンビニの新規開業などに伴う求人が拡大している。

 一方で県内の正社員有効求人倍率は0・55倍で全国平均1・18倍の半分以下にとどまった。新規求人数に占める正社員の割合は27・3%で、全国平均の42・4%を大きく下回る。

 沖縄労働局の安達隆文局長は「正社員雇用のさらなる拡大が喫緊の課題だ。事業主は人材確保のためにも、正社員化や待遇改善などの働き方改革を積極的に進めてほしい」と話した。