「大川敵討」上演 組踊大作で節目 大琉球浪漫 最終回


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乙樽(左端・宮城茂雄さん)に心引かれながらも威厳を保とうとする谷茶の按司(右端・宇座仁一さん)=29日、那覇市の琉球新報ホール

 琉球新報社新本社ビル落成記念公演「おきなわ文化の祭典 大琉球浪漫」の最終回(第13弾)となる組踊「大川敵討」(主催・琉球新報社、共催・沖縄芸能連盟、組踊上演300周年記念事業実行委員会、特別協賛・医療法人陽心会)が29日、那覇市の琉球新報ホールで開催された。組踊の最高傑作ともいわれ、全編上演はまれ。重要無形文化財「組踊」保持者でつくる伝統組踊保存会(眞境名正憲会長)が出演し、組踊初演300年の節目を飾った。

 谷茶の按司(宇座仁一さん)に主君の大川按司を殺された村原の比屋(神谷武史さん)が妻の乙樽(宮城茂雄さん)らと知略を駆使し、敵討ちを果たす物語。「組踊」保持者の指導を受けた気鋭の中堅・若手が立方を務め、気迫あふれる演技を見せた。地謡は保持者が務め、枯淡の味わいがある歌を聴かせた。

 初めて本作を鑑賞した崎山清昌さん(78)=那覇市=は「歌を聴かせる前半から最後の立ち回りまでとても面白かった。約3時間の長編だが飽きなかった」と話した。