FC琉球、無敗神話続く 2―2 山口に追い付く


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 サッカー明治安田J2の第6節、FC琉球は30日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでレノファ山口FCと対戦し、2―2で引き分けた。ホーム戦の連続無敗記録を「25試合」に伸ばし、J1浦和レッズが持つJリーグの最多記録と並ぶ快挙を達成した。琉球はJ2の首位を堅持している。琉球は持ち前のパスサッカーでボールをつなぎ、後半7分、鈴木孝司のゴールで先制した。しかし同11分、その2分後に立て続けに失点し1―2で劣勢に。局面からギアを上げて攻めていき、試合終了間際に鈴木が1点を返し同点で終え、勝ち点1を獲得した。次戦は3日午後7時から、千葉県千葉市の福田電子アリーナでジェフユナイテッド市原・千葉と対戦する。

(1)タピスタ
琉球 4勝2分け(14)
2―2(0―0,2―2)
山口 1勝1分け4敗(4)
▽得点者 【琉】 鈴木2(8)【口】 工藤(2)佐々木(1)
▽観客 3789人

 【評】前線へハイプレスを仕掛ける山口に序盤は苦しむが、徐々にマークをはがしていった。後半7分、富所悠のシュートが相手GKにはじかれたが、こぼれ球を鈴木孝司が頭で押し込んで先制。同11分、13分に守備間のミスから立て続けに2失点。システムや選手の交代などの策を講じ、リズムを変えた後半44分、鈴木が再び頭で押し込み同点とした。

◇鈴木、土壇場に同点弾 本拠地サポーターも喜び共有

後半7分、ヘディングで先制のゴールを決める琉球の鈴木孝司(中央)=30日、タピック県総ひやごんスタジアム(滝畠豊美撮影)

 会場で見守る観客が手を合わせ、琉球の快挙を願い、静かにじっとピッチを見詰める。

 試合終了間際、河合秀人のクロスに鈴木孝司が反応。ヘディングでゴールネットが揺れた。欲しかった同点弾に、割れんばかりの歓声が会場を包んだ。「まだいけるぞ」「いけ琉球」。リーグ公式戦の25試合連続ホーム戦無敗が目の前に迫り、息を吹き返す観客。白星は奪えなかったが、歴史的な一戦を戦い抜き、選手とサポーターが喜びを共有した。

 ハイプレスで仕掛けてくる山口に対し、序盤は攻めあぐねた。中盤で数的有利の状況を生かし、中央から両サイドに斜めにパスを出し、プレスをはがしていった。後半に先制するも、後半に自陣のミスから2連続失点を喫した。

 苦しい状況にも、琉球は何段階もギアを上げた。中盤に河合、前線には前への推進力がある和田凌を投入し、鈴木と2トップに。さらに攻撃に厚みをつける。内外から攻撃を仕掛け続け、最終局面に待望のゴールが生まれた。

 前監督から築き上げてきた琉球の「攻撃的サッカー」を継承、発展しこの日も貫いた。パス数で山口を圧倒した内容が攻撃へのチームの意識を物語る。だが逆に、ボールを動かすことでパスを奪われる危険性も生まれ、2失点はそれが原因となった。

 「自分たちの面白いサッカーをして、勝ち点3を取っていく」(鈴木)。「次につなげていく」とした指揮官同様、リスクを恐れない挑戦的な姿勢が琉球の強さだ。

 (喜屋武研伍)