芸能・文化

「仲間」に熱いメッセージ HY 全国ツアー最終公演

 沖縄県うるま市出身のバンドHYの47都道府県を巡る全国ツアー最終公演が3月23日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟であった。結成日にちなんだ昨年9月22日から始まった「HY STORY TOUR ~うさがみそーれ めんそーれ そーれそれそれ ゆくいみそーれ~」。ベストアルバム「STORY」を引っさげて、HYはユーモアたっぷりなパフォーマンスと、爽やかなサウンド、真っすぐなメッセージを4千人の「HYシンカー(仲間)」たちに届けた。


爽快なサウンドで4千人の観衆を盛り上げたHY=3月23日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟


 「ただいま!」と叫んで登場したHYの新里英之(ギター・ボーカル)、名嘉俊(ドラム・ラップ)、許田信介(ベース)、仲宗根泉(キーボード・ボーカル)、宮里悠平(ギター)。恋の始まりを歌った「モノクロ」から幕は開けた。新里が「たくさん楽しんでください」と叫ぶと、「トゥータン」へとつなぎ、新里と仲宗根が爽快に歌い上げ、会場を沸かせた。

 MCの途中、突如テレビドラマ「闘牛戦士ワイドー」の悪役カミヤー軍団が現れてメンバーを囲む。その後ワイドーが登場して敵のカミヤーたちと闘う中でオープニング曲の「MAX」が流れた。故郷うるま市を愛するHYの思いが詰まっていた。

 代表曲「AM11:00」では名嘉と新里の軽快なラップが観衆の心をつかみ、最後のサビは会場にマイクを向けて一緒に歌った。失恋ソング「366日」は仲宗根の情熱を込めた歌声が会場に響き、観客の目を潤ませた。

 ライブでは沖縄を意識した曲もあった。平和への思いをつづった「時をこえ」では琉球國祭り太鼓がたたく太鼓の振動に乗せて「命どぅ宝」のメッセージを込めた。しんみりとした会場は「Street Story」の軽快なサウンドで再び熱を帯び、観衆は音楽に乗せてカチャーシーを踊った。

 セットリストの最後は「ホワイトビーチ」。新里が「高校時代につくったHYにとって一番大切な曲」と告げる。メンバーは楽器を持たずに会場の隅々まで走り回って、ファンと一緒に合唱した。アンコールはステージを虹色に染めて新曲「no rain no rainbow」を披露した。その後「隆福丸」で会場をにぎやかせ、最後は「旅立ち」でメンバーと観衆全員がツアーの51公演に掛けて、51回ジャンプして締めくくった。ファンとメンバーは「旅立ち」に出てくる「今日も本当にいい日でした」のフレーズを心に刻み、感動に浸っていた。

 ライブの途中、仲宗根が考えたアフロやお下げ髪のかつらを着けたメンバーのコミカルな寸劇も披露され、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。

 ファンとの距離を縮めながら数々の名曲とパフォーマンスを生み出すHY。今年は南米公演も予定し、来年は結成20周年を迎える。これからも変わらずに熱のこもったメッセージとサウンドを届けてほしい。
 (金城実倫)