辺野古移設で賛否 屋良氏反対、島尻氏容認 衆院沖縄3区補選立候補予定者座談会


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
21日投開票の衆院沖縄3区補欠選挙に向けて、握手を交わす屋良朝博氏(右)と島尻安伊子氏=4日午後、沖縄市仲宗根町の琉球新報社中部支社

 21日投開票の衆院沖縄3区補欠選挙に向け、琉球新報社は4日、立候補を予定するいずれも新人で、フリージャーナリストの屋良朝博氏(56)=無所属=と元沖縄北方担当相の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明推薦=の主要2氏を招いた座談会を琉球新報社中部支社で開いた。最大の争点となる米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設や沖縄振興の指針となる沖縄振興特別措置法の在り方、次期沖縄振興計画、医療・福祉の充実に向けた方策などについて活発な論戦が繰り広げられた。辺野古移設の是非を巡っては、屋良氏が「反対」、島尻氏が「容認」と賛否が鮮明となった。 (’19衆院3区補選取材班)

 辺野古移設について、屋良氏は軟弱地盤の存在を念頭に「費用がいくらかかるか分からない工事を進めるのが責任のある政治と言えるのか。選択肢は他にもある。普天間の機能の分散は可能だ」と述べ、機能移転による危険性除去を訴えた。島尻氏は2017年に普天間第二小学校に普天間所属のヘリの窓枠が落下した事故を踏まえ、「危険性除去のためには容認せざるを得ない。辺野古への移設は普天間の機能が100%移るものではなく、実質は整理縮小だ」と強調した。

 現行の沖縄振興特別措置法を巡っては、屋良氏は「県民は(幸せを)実感していない」と疑問を呈した上で、地場産業における第1次、第2次産業の拡充、物流費低減などによる県民所得の向上を訴えた。島尻氏は、5次にわたる振興計画は教育や福祉分野が抜け落ちていたとして、ソフト面の充実や民間企業への支援強化を通じた自立型経済の構築を訴えた。

 子どもの貧困対策については、2氏とも喫緊の課題との認識で一致。屋良氏は、県と国の事業を組み合わせ、きめ細やかな貧困対策、子育ての支援をやる必要があるとした。島尻氏は沖縄独自の政策でなければ問題解決は図られないとして、企業と連携した就労、就学支援策を訴えた。