「葦の会」へき地医療評価 4島巡回、社会医療法人に認定


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県保健医療部の砂川靖部長(左)から社会医療法人の認定通知書を受け取る葦の会の田頭真一理事長=4日、県庁

 沖縄県は1日、オリブ山病院(那覇市)などを運営する「葦の会」を社会医療法人に認定した。公益性が高い医療を提供している医療法人を対象に、都道府県が認定するもので、医療保健業務に関する法人税が非課税となるなど優遇措置を受けられる。葦の会は座間味村など4島で巡回診療をしており、へき地医療を要件とした社会医療法人の認定は県内で初。

 4日に県庁で開かれた認定通知書交付式で、同会の田頭真一理事長は「離島でさまざまな困難にある方々のために奉仕してきた。心を引き締め、より良い医療を提供していきたい」と意気込みを語った。

 通知書を手渡した砂川靖県保健医療部長は「これまで以上に責任も求められる。制度を効果的に活用し、より一層、へき地医療を推進していただくことを期待する」と激励した。

 葦の会は2010年から座間味村で精神科の巡回診療を始めた。現在は南大東村、北大東村、粟国村でも実施している。1人の医師が1日かけて診療をした日数は17年度は55日、18年度は70日で、認定要件の53日を上回った。同会によると、精神科単科での離島診療で認定されたのは全国初とみられる。

 社会医療法人は、医療法に基づき、救急、へき地、周産期、災害、小児といった、地域に必要な医療を担う法人に対する制度。県内では葦の会以外に4法人ある。4法人が運営する主な施設はハートライフ病院、中頭病院、浦添総合病院、豊見城中央病院。