県民のこころ守ります 県公認心理師協会が発足 心のケア支援強化


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5月12日に設立記念講演会を開く県公認心理師協会の平安良次会長(左)と広報担当理事の平山篤史さん=5日、那覇市の琉球新報社

 心理職で初めての国家資格となる「公認心理師」が1日に新設されたことに伴い、県内の公認心理師らが加入できる一般社団法人「県公認心理師協会」(平安良次会長)が新たに発足した。心理職の国家資格ができたことで、今後は有資格者の雇用創出や、心のケアなど利用者のサービス向上が期待される。同協会は5月12日に那覇市泉崎の琉球新報ホールで設立記念講演会を開く。

 県公認心理師協会は臨床心理士が加盟している「県臨床心理士会」が母体となり、公認心理師と臨床心理士が加盟できる団体として誕生した。同協会によると、昨年あった第1回の公認心理師資格認定試験で、県内からは294人が合格。今後、医療や教育、福祉、司法など幅広い分野での活躍が期待される。

 協会の設立に伴い、県臨床心理士会が担っていたエイズウイルス(HIV)カウンセリング事業や自殺予防対策事業など、行政からの委託業務は協会が引き継ぐ。5日に琉球新報社を訪れた平安会長は「国家資格の誕生によって質の担保が得られることになる。公的機関との業務を円滑に引き継ぎ、切れ目のない支援につなげていきたい」と語った。

 5月12日の記念講演会は「県民のこころと健康のために」をテーマに、リラクゼーション法「マインドフルネス」の第一人者で、早稲田大教授の熊野宏昭さんが基調講演する。シンポジウムもあり、医療や教育などの分野の専門家が公認心理師の活動などについて議論を深める。講演会は同日午後1~4時、入場無料。問い合わせはメールoffice@okisccp.jp(同協会事務局)。