食品メーカーのネスレ日本(神戸市)と、サッカー元日本代表の髙原直泰氏が代表を務めるサッカーチーム沖縄SV(豊見城市)は17日、県産コーヒーを栽培するプロジェクトを共同で開始すると発表した。名護市内の農園にエクアドル産コーヒーの苗木を植え、3年後の収穫を目指して栽培を進める。沖縄の温暖な気候を生かしてコーヒー豆を育てる。県産ブランドの確立も視野に入れている。
コーヒーの苗木は沖縄SVとネスレの農学者、琉球大学が協力して育成した。今月23日に名護市許田の農園に苗木240本を植え付ける。農園での栽培作業は沖縄SVに所属するサッカー選手らが担当して、ネスレが支援を行う。2020年には1万本を追加で植え付けるという。
順調に生育した場合、3年程度でコーヒー豆が収穫できるという。240本の苗木から約20キロの豆が採れると試算している。沖縄はコーヒー栽培に適した環境で、新たな農産品として事業展開することも期待される。
ネスレはコーヒー豆の栽培支援や農家のサポート、苗木の配布などを行う「ネスカフェプラン」を世界17カ国で実施している。ネスレ日本と沖縄SVのプロジェクトは、ネスカフェプランとしては国内初の取り組みになる。
沖縄SVはサッカーの試合とコーヒーの販売、豆の収穫体験などが一体となった観光メニューの創設も目標にしている。髙原氏は「もともとコーヒーは好きで飲んでいた。サッカーだけではなく、このプロジェクトを通していろいろな人がつながることが、自分やチームのメンバーの成長につながる。ぜひ継続していきたい」と話した。