FC琉球躍進の立役者 J2今季8得点のFW鈴木孝司 ゴール請負人 攻守に闘志 新天地で狙う得点王


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今季8得点を挙げてFC琉球の躍進を後押しし、2・3月の月間MVPにも輝いた鈴木孝司(左)

 サッカーJ2で開幕4連勝を達成し、現在6位と名のあるチームと肩を並べるFC琉球。躍進を後押しするのは今季すでに8得点を挙げ、2・3月のJ2のMVPにも輝いた琉球のゴールゲッターFW鈴木孝司(29)だ。優れたゴールへの嗅覚から、つないだパスをゴール前で受けてゴールを決める「フィニッシャー」として活躍している。長年苦楽を共にしたFC町田ゼルビアから移籍し、新天地での目標は「得点王。守備でもつなぎでも、全体的にチームを引っ張っていきたい」と闘志を燃やす。 (喜屋武研伍)

 福岡との開幕試合(2月24日)は強烈なデビュー戦だった。中盤からつないだボールをゴール左で受け取る。相手守備と一対一になり、体勢を崩しながらも放ったループシュートは弧を描き、ゴールへ吸い込まれていった。ベテランの樋口靖洋監督も「見事なもの。僕も意表を突かれた」と認めるゴールだった。

 相手が「どう嫌がるポジションにどういれるか」を常に意識している。守備裏へ抜けるセンスもそうだが、守備網を破りきれるドリブラーとして能力も高い。

 Jリーグホーム無敗タイ記録が懸かった山口戦(3月31日)は、前半にこぼれ球を押し込み、先制。相手にリードされたが、後半44分に頭で押し込み引き分けに。局面で必ずゴールを決めている。

 練習の時はチームメートとボールの受け方、ポジション取りなどについて気が済むまで話し合う。「自分の意見を押しつけるだけではだめ。相手の意見も聞きながらすり合わせていく」 大幅に選手が入れ替わった琉球で息の合った連係ができるのは努力によるものが大きい。ピッチ内外で「重要なファクター」になっている。

 「(琉球は)ボールを大切に握り、コンビネーションが出てくるのは楽しい。沖縄は時間がゆっくり流れているのも良い」と充実感を示す。まだまだ続く琉球の躍進を、最前線で引っ張っていく。