<政策点検・衆院沖縄3区補選>大型MICE・カジノ 財源、経済効果 異なる見解


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 中城湾港マリンタウン地区で県が整備を計画する大型MICE施設は、本島中部の東海岸地域への経済波及効果も期待される。計画の是非について、屋良朝博氏(56)=無所属・新=と島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦・新=は「賛成」で一致したが、財源や経済効果の試算について県や国の対応に異なる見解を示す。

 屋良氏は、周辺地域への投資促進や経済の活性化を期待する一方で、一括交付金の対象でないことに「辺野古の問題で反対する県に対し、予算を凍結する国の姿勢は容認できない」と批判した。

 島尻氏は「必要性は十二分に理解している」としながらも「現行案について、県は施設の採算性や周辺への経済効果など説明を尽くすべきだ」として、県予算による整備計画の進捗(しんちょく)を注視する構えだ。

 カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法の成立により、沖縄でもカジノ営業解禁が議論されている。カジノ解禁に関する両氏の見解は異なる。

 屋良氏は「反対」を表明。「沖縄の観光は自然や文化、伝統などのソフトパワーにけん引されて発展している」との見解から、カジノ開業による悪影響を懸念する。

 島尻氏は、MICE施設と連動した「新たなビジネスの起爆剤」として期待する一方で、誘致については「県民の理解を得て進めるべきだ」と慎重な姿勢を示した。

 今年10月の消費税率10%の引き上げについても両氏の意見は分かれた。

 屋良氏は「反対」の立場で、低所得者層の負担増を強調する。「逆進性の問題が表面化する。県経済も大打撃だ。引き上げは消費購買力の低下につながり日本経済に悪影響を及ぼす」と危惧する。

 「賛成」の島尻氏は「年金や医療、介護、少子化対策の『全世代型社会保障』に充てられる目的税」として、増大する高齢者の社会保障関係費の財源の裏付けと持続性を担保するものと考えている。